News 2001年3月23日 07:19 PM 更新

フレッツ・ADSLでも解消されない開通までの“タイムラグ”(1)

フレッツ・ADSLを申し込むなら,電話それともWeb? NTTの内情を知らなければ,痛い目に遭うかもしれない。

 今年に入って NTT東西地域会社が本サービスを開始した「フレッツ・ADSL」が人気を集め,申し込みが殺到している。ISDNに引きずられてADSLへの参入が遅れたNTT地域会社だが,出足はかなり好調のようだ。

 だがその一方で,先行した「フレッツ・ISDN」と同じように,申し込み方法の違いで開通までの時間が異なるという問題が,フレッツ・ADSLでも繰り返されている。さらには,ADSLモデムの数不足や人為的なミスなどから開通日をいきなり1カ月以上伸ばされるという状況も発生している。

おざなりにされたホームページからの申し込み

  フレッツ・ADSLで再び明らかになったことがある。電話申込みが優先され,ホームページからの申し込みが後回しにされているという状況だ。

 フレッツ・ADSLにおいては筆者の身近な所でこの問題が露見した。同じ集合住宅に住むA氏とB氏は,フレッツ・ADSLの申し込みを2月1日(受け付け開始日)に行った。A氏は電話で,B氏はホームページから申し込んだ。当然ながら,両氏の電話回線は同一局内に収容されているはずで,どちらかが優先されるということは基本的にありえない。

 ところが,A氏は2月16日にフレッツ・ADSLが開通。これに対してB氏の所には,2月末になってようやくNTT東日本から受け付けを確認する電話連絡が届いた。怒ったB氏はこれをキャンセルし,別の会社のサービスを申し込むことにした。A氏との扱いの違いを考慮すればもはや当然だろう。

  筆者は2月2日の早朝にNTT東日本のホームページからフレッツ・ADSLを申し込んだ(2月1はアクセスが集中し,かなり重たい状況だったからだ)。ほどなくして,自動返信のようなメールがNTT東日本から届き,そこには近日中に利用可能かどうかを調査の上,連絡すると書かれていた。

 ところが,だ。2月26日に至るまで一切の連絡がない。さすがに業を煮やして116へ問い合わせを行ってみると,調査は既に終了しており,単なる連絡ミスであったことが分かった。ただこの時は,すぐに工事日を決めることができたので,対応に不満が残りつつもその場は収めることにした。

 約束した工事日は3月12日の午後。スプリッタとADSLモデムはレンタルし,3月7日に業者から届く段取りになっていた。屋内工事は,もちろんセルフだ。

空白の1日半

 3月7日。機材を受け取るために1日在宅するが,何の連絡もなく,機材は届かない。何も連絡がない以上,少々遅れて届くのであろうと思い,気にかかりながらも特に行動は起こさなかった。今思えばこれが間違いの始まりであった。

  3月12日。午後2時頃に局内工事担当から電話が入る。筆者はISDN回線をアナログ回線に切り替えてフレッツ・ADSLを利用するため,回線の切り替えとフレッツ・ADSLの工事を行って良いかという連絡だった。念のため機材が一切届いていない事を伝えると,工事担当者は分からないというので,116へ連絡して,状況を確認してもらうことにした。

 結局結論が出たのは午後4時30分過ぎ。ADSLモデムが手配漏れになっており,筆者の分のADSLモデムがないという連絡だった。しかも,この結論が出るまで何回も局内工事担当からも連絡があり,こちらに状況を確認される。どうやら,工事に伴う内部連絡はまったく出来ていないようだ。

 では開通はいつになるのか,というと4月下旬だという。ADSLモデムは不足状態にあり,急ぎで手配できる物がないという説明だった。担当者からは幾度も謝罪されたが,こちらは1日半の待機時間の無駄という“実害”が生じているのだ。

 このままでは,ホームページでの申し込みからフレッツ・ADSLの開通までほぼ3カ月かかることになる。116で申し込んでいればほぼ2週間で開通した実例もある事を考慮すれば,到底我慢のできる状況ではない。

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