News:CeBIT 2001年3月23日 10:04 PM 更新

CeBIT:ヒトとガジェットあふれる会場

CeBITは「欧州版COMDEX」だって? 冗談じゃない。展示面積はCOMDEXの4倍。来場者の疲労度は10倍だ。

 ドイツのハノーバーで「CeBIT 2001」が幕を開けた。のっけから余談で恐縮だが,CeBITには世界中から75万人の来場者が訪れるという。当然,近場のホテルは予約で満杯。近隣の民家が即席の民宿となり,それでもあぶれた人たちは,別の町から電車に揺られてやってくる。

世界最大の混雑?

 そう。私がそうなのだ。直前まで派遣される人間が決まらなかったため,ホテルはハノーバーから約120キロ離れたハンブルクとなってしまった。「ICE」と呼ばれる世界最高速の新幹線に乗り,片道1時間半かけてハノーバーメッセまで通う。東海道新幹線に例えるなら,静岡−東京間あたりだろうか。もちろん,この電車も満杯で,運の悪いときは山手線の通勤時間さながらの混雑ぶりとなる。ああ。幕張メッセが懐かしい。

 愚痴をいっても仕方がない。CeBITと言えば,世界最大のエレクトロニクスショウだ。「世界最大」があちこちに存在するのはちょっと気になるが,とにかくニュースには事欠かない。これをいち早く日本で待つ読者の皆様にお届けするべく,用意は周到に行われた。ときどき煙を吹いて融解する電源アダプタは2つ用意した(昨日の記事参照)。デジカメも新調し,320Mバイトの「MicroDrive」も手に入れた(後輩から強奪)。予備のコンパクトフラッシュやPCカードアダプタもOK。ノートPCとサブマシンの「MobileGear II」を鞄に詰め込み,少し疲れて,しかし意気揚々と,ハノーバーに乗り込んだのである。

会場には

 会場には,ガジェット系の小型機器や民生用機器があふれていた。SiemensやNokiaがGPRS対応携帯電話を発表すれば,NTTドコモはFOMAのモックアップを展示してアピール。Transmetaのブースでは,先日オープンソース化されたモバイルデバイス用Linux「Midori」を搭載したWebPadが複数のメーカーから出展されている。シャープは,海外向けザウルスをLinuxベースで開発し,PacketVideoのワイヤレスマルチメディア配信技術を採用することを明らかにした(3月21日の記事参照)。

 また,Hewlett-Packardは,廉価版の「Jornada」を発表している(別記事参照)。

ソニー,Bluetooth対応プロジェクターをデモ

 Bluetooth関連もホットだ。EricssonはBluetooth対応電話機の新モデルを発表し,PLANTRONICSなど複数のメーカーがヘッドセットを出展。富士通シーメンスはBluetooth内蔵のサブノート「LIFEBOOK Bシリーズ」を展示している。

 さらに,ソニーはPalm OSベースのPDAから画像を飛ばしてBluetooth対応のプロジェクターに映すというデモンストレーションを行っていた。新型CLIEが,実は「Infostick」(通信系の機能を持つメモリースティック)に対応しているという情報(将来的に対応できる可能性があるという意味)は掴んでいたが,PalmベースのPDAにInfostickが装備され,実働していたのは初めてだ。同社によると,現在はBluetoothのVer.1.0で動作しているが,「数カ月以内に1.1対応版が動き出す」という。転送レートは,現在のところ300Kbps程度だが,XGA&24ビットカラーの画像を表示できるのだから,ちょっとしたプレゼンテーションには有効だろう。

 ただし,展示されていたPDAは,日本で先日発表されたスリムなCLIE「PEG-N700C」とは全く違う外観をしていた。インタフェース類の位置や画面サイズなどは同じだが,全体が丸みを帯びて,まるで着ぶくれしているようなボディをしている。しかも色は白だ。この謎のPDAについて説明員は,「Palm OSをベースにデモンストレーション用に開発した試作機」と説明している。

 ほかにも,電灯線インターネットアクセスを進めるASCOMのブースで蛍光灯を剣に見立てたマジックが披露されるなど,CeBIT会場には見所が一杯だ。おかげで座席を予約したICEに乗り損ね,1時間半の間,通路で立ちっぱなしと相なった。

 ──ここまで読んで,不審に感じた人がいるかも知れない。これだけネタを披露しておきながら,「写真が1枚も入ってないじゃないか」と。

 そう。忘れてきちゃったのだ。Microdriveに使う,コンパクトフラッシュ“Type II”のアダプタを……。(編集部注:明日以降の怒濤のPhotoReportにご期待下さい。)

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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