News 2001年3月29日 11:59 PM 更新

VIA,今年後半には1GHz版のC3プロセッサを出荷

VIAが国内でもC3プロセッサを発表。今年後半には1GHz版を投入,ノートPC向けも用意することが明らかになった。

 台湾のVIA Technologiesは3月29日,メモリベンダー各社とともに「VIA DDR Chipset & CPU Seminar」を開催。CeBITで発表されたSocket 370互換の新CPU「VIA C3」を披露したほか,NECと日立の合弁企業であるエルピーダメモリや米Micron Technology,韓国のSamsung ElectronicsがDDR DRAMへの取り組みについて説明した。

 C3は,コードネームで「Samuel2(C5Bコア)」と呼ばれていたプロセッサ。0.15μメートルプロセスで製造され,ダイサイズは52平方ミリメートルでx86プロセッサとしては最小だという(3月27日の記事参照)。クロック周波数は最速で866MHzだが,VIAのTed Lee副社長によれば,0.13μメートルプロセスで製造される「Ezra(C5Cコア)」では今年後半に1GHzに到達する計画だという。

Samuel2とEzraのロードマップ

Samuel2 Ezra
  1GHz
  950MHz
  900MHz
866MHz 866MHz
850MHz 850MHz
800MHz 800MHz
750MHz  
733MHz  

 さらに,C3プロセッサでは,モバイルバージョンとしてEBGAやmPGAパッケージを用意するほか,「SpeedStepのように駆動周波数とコア電圧を変化することもできるようになる」(Lee氏)という。

DRAM=SDRAM戦略をアピールするMicron

 メモリデバイスメーカーのプレゼンテーションでは,各社のDDR SDRAMロードマップなどが説明されたが,内容は今年1月に開催された「Platform Conference」のものとほぼ同じで,特に目新しいものはなかった。

 エルピーダメモリでテクニカルマーケティング部長を務める樋口三左男氏は,「DRAMの用途としては今後,PC分野だけでなく携帯電話や情報家電に採用される割合が高まっていく」と予測。「情報家電などで使用する場合には,1.8ボルト以下にしなければならない。次世代のDDR-IIでは実現されるだろう」と説明した。「現在は,NECと日立それぞれのFabで製造を行っており,エルピーダ自体のFabで製造するのは0.13μメートルプロセス以降のものになる。エルピーダでは,DDR SDRAMもDirect RDRAMも同様に力を入れていくつもりだ」(同氏)。

 またSamsungは,Platform Conferenceで披露した128MビットのDDR-IIのプロトタイプについて説明。製造プロセスは0.17μメートルでクロック周波数は400MHz,駆動電圧は2.5ボルトとなっている。Samsungでメモリ事業部副社長を務めるYncho Choi氏は,「2001年第4四半期にはDRAM市場の10%がDDR RDRAMになるだろう。DDR SDRAMは,今年から本格的に立ち上がる」と強調する。

  DDR DRAMとSDRAMを同価格で提供するという戦略を打ち出し,注目を集めるMicron。今回のセミナーでも「既にDDR200(PC1600)とPC133は同価格で出荷している。2001年第2四半期にはPC266(PC2100)もPC133と同じになる」とアピールしていたが,一方でSamsongのChoi氏は,「需要予測がつかめない状態で, Micronのように価格面での戦略を語ることはできない」と慎重な姿勢を示している。

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[中村琢磨, ITmedia]

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