News 2001年3月29日 11:37 PM 更新

Windows XPに組みこまれた“健康を保つ機能”

Windows XPには,さまざまなトラブル解決手段が用意された。これには,OSの最新モジュールをチェックする機能,システムファイルとレジストリを自動バックアップする機能,不具合の出たドライバを1世代前に戻す機能などが含まれている。

 昨日お伝えした「Windows XP」最新ベータ2の続報をお伝えしよう。と,その前に2つほど,お詫びと訂正をしたい部分がある。

 まず昨日,WIAで取り込んだデジタルカメラの画像からタグ情報が抜け落ちていると報告したが,実際には画像の中に残っていた。また,タグ情報の表示もWindows XPは標準でサポートしている。画像ファイルのサイズに変化がないところをみると,少なくともPCカード経由で取り込む場合は画像ファイル自身には手を付けないようだ。ただし,USB経由でカメラと接続した場合にどうなるかは,WIAドライバ対応カメラが手元にないため確認できていない。


画像のタグ情報はプロパティとして表示できる

 もう1つは,日本語版の記者説明会の記事(3月13日の記事を参照)において,「Windows XP Home Edition」から「同Professional Edition」へのアップグレードが,キーコードの入力で可能になると書いた。これはマイクロソフトの回答だったのだが,WinHEC会場で見かけたマーケティング担当者に聞いたところ,「アップグレードパスを用意することは確かだが,OSを切り替えるには再インストールが必要」とのことだ。

コンシューマーOSに「PC Health」も導入

 Windows 2000ユーザーにとって,Windows XPはユーザーインタフェース周りだけが変わったマイナーバージョンアップにしか感じないかもしれないが,Windows 98やMeのユーザーにとってみれば,非常に大きなバージョンアップである。システムの安定性が格段に向上するためだ。

 しかし,そう簡単に「Windows 2000ユーザーだから」と読み捨てないで欲しい。Windows 2000ユーザーにとっても有用なシステムの安定性を向上させるための機能が,いくつか追加されているからだ。

 まずインストール時,その時点で最新のサービスパックやホットフィックスなどの差分モジュールをダウンロードし,インストール直後に自動適用する機能がインストーラに加わっている。Windows 2000ではサービスパックを適用したCDをCD-Rで焼けるようになっていたが,インターネットから自動的にダウンロードできるなら,その方が話は早い。

 また,Mac OSにあるような,自動的にOSの最新モジュールをチェックする機能も備わっており,指定した間隔でチェックし,最新版があればユーザーに知らせるようになっている。


「Automatic Update」は,最新モジュールを監視して,ユーザーにアップデートを促してくれる

 Windows NT/2000が不安定になるときは,ハードウェアとドライバに起因しているケースがもっとも多い(Windows NT系はハードウェアのバグに対してWindows 9x系より敏感)。ハードウェアは買い換えるしかないが,不安定なドライバをインストールしてしまったときは,以前の安定したドライバに戻せばなんとかなる。そこで,Windows XPには,ドライバを1世代前に戻す「ドライバロールバック」という機能が加わっている。ドライバの世代管理は自動的に行われる。


「Driver Roll Back」を使えば,ドライバの世代管理を自分でしなくても元に戻すことが出来る


「System Infomation」ツールは,より詳細な情報をユーザーに分かりやすく伝えるようになった

 Windows Meで導入されていた,システムファイルとレジストリの自動バックアップ機能とシステムリカバーもWindows XPに導入された。この機能は既にお馴染みだと思うが,設定変更時やアプリケーションのインストール時,時間の経過などに,自動的にWindowsがシステムのバックアップを取り,不具合が出る前の状態に戻ることができる機能だ。Windows XPでは,マイコンピュータのプロパティでシステムファイルのバックアップに利用する最大ディスクスペースと,最大保存日数を指定できるようになっている(オフにすることも可能)。


Windows Meでも導入されているシステムリカバリ


システムリストアで利用するバックアップの容量を指定

 「PC Health」は,システムに不具合が出たとき,その情報をマイクロソフトに送信し,その後のパッチ開発などの情報とする機能や,トラブル発生時などに適切なヘルプ情報をリッチなコンテンツで紹介する機能を含んでいるが,Windows XPにも,もちろん組み込まれている。

 ただし,いくらこうした機能を加えたとしても,ハードウェアが故障していたり,使っているアプリケーションが大きなバグを抱えていれば,システム側からの対処はできない。しかし,ある日アプリケーションを入れたら調子が悪くなった,あるいはセーフモードでしか起動できなくなったといったとき,すぐに元に戻せるのは安心だろう。

関連記事
▼ 「Windows XP」最新ベータ2インストール記──スクリーンショット集
▼ Windows XPはパワフルなハードウェアが条件
▼ Gates氏,WinHECで「Windows XP」のβ2披露
▼ Windows XPで何がどう変わる?
▼ マイクロソフト,「Windows XP」日本語版ベータ2を披露
▼ Microsoft,Windows XPとLunaインタフェースを披露
▼ Windows XPは「買い」か?

[本田雅一, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.