News 2001年4月16日 07:18 PM 更新

イーブック,アドビと提携で電子書籍普及を促進

イーブック イニシアティブ ジャパンとアドビが電子書籍事業で提携。電子漫画市場の立ち上げを目指す。

 イーブック イニシアティブ ジャパン(EBI)は4月16日,アドビ システムズと電子書籍事業分野で提携したと発表した。EBIは,アドビが今夏リリース予定の「Adobe Acrobat eBook Reader 2.1日本語版」向けにコンテンツを提供する。EBIでは,昨年12月より専用リーダソフトを使った電子書籍配信サービス「10daysbook」を開始。「サイボーグ009」「ドカベン」といった漫画を中心に配信しているが,プラットフォームの拡大により電子書籍の読者を拡大したい考え。

 アドビのeBook Reader 2.1は,コンテンツ配信サーバの「Adobe Content Server」と連携して,違法コピーや改ざんを防止できるのが特徴。印刷枚数の制限や時限設定など版元側が用途に応じて詳細な設定を行うこもできる。米国ではAmazon.comがeBook Reader対応電子書籍の販売を行っている(4月11日の記事参照)。

漫画コンテンツを充実

 イーブックでは,eBook Reader向けに作家の村上龍や漫画家のビッグ錠などが書き下ろし作品を提供するほか,モンキー・パンチ,里中満智子,水木しげるなどのコミック作品をデータ化する予定。EBJでは現在提供している550のタイトルに加え,eBook Reader用のタイトルを拡充することで,年内に3500〜4000タイトルをそろえる計画だ。

 「日本には漫画文化という大きな特徴がある。eBook Readerは漫画圧縮に強く,電子漫画の普及に貢献するはずだ。EBIでは,有名な漫画家の作品をプッシュし,“イーブック大全集”という形で提供していく。また漫画以外でも,絵本や写真集の分野で新人発掘に取り組みたい」(EBI)

 またEBIでは,NTTデータおよび東芝とともに,液晶ディスプレイを2枚装備した電子書籍閲覧専用端末の開発にも取り組んでいるが(4月9日の記事参照),「電子書籍市場の立ち上がりには,こうした専用端末の登場とともに,電子書籍フォーマットの標準化,ならびにブロードバンドインターネットの全国的な普及が重要な要素となる」と語った。

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[中村琢磨, ITmedia]

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