News 2001年4月19日 11:59 PM 更新

やはり楽天はYahoo!を目指していた

インフォシークを買収し,「総合メディア企業」を目指す楽天。三木谷社長は「攻撃の始まりだ」と強調する。

 公式な見解ではないが,インフォシークを買収した楽天が,Yahoo!を目指しているというのは業界人の間では常識となっている。その楽天の三木谷治史社長は4月19日,新生インフォシークの門出を祝うために開催した記者懇親会の席で「攻撃の始まりだ」と宣言した。楽天が照準を定めているのは,もちろんYahoo!以外にない。


楽天の三木谷社長

 楽天は同日,データマイニング事業を行う新会社「ターゲット」の設立を発表した。新会社では,楽天の持つユーザーデータベースを活用したマーケティング事業を手がけるが,三木谷社長は「このためにインフォシークを買収したようなもの」と説明する。ページビューに依存した広告収入に大きな成長が期待できくなることを見越し,マーケティングビジネスへの参入を進めていたのだという。

 さらに三木谷社長は,AOLとTime Warnerの合併など,米国でメディアの集約が進んでいることを例に挙げながら,「インフォシーク買収は,楽天が総合メディア企業になる第1歩だ」と将来的な構想も披露。三木谷社長の中では,Yahoo!追撃はあくまで短期的な目標でしかなようだ。「今後もIPOで調達したふんだんな資金を使い,買収戦略を積極的に推進していく」(同社長)

 また懇親会に参加したインフォシーク会長の中村隆夫氏は,「米国でInfoseekの社員がリストラされたように,Disneyはネット事業そのものに対する見直しを行っていた。日本法人も売却が決まり,売りに出されていたところに楽天というパートナーが見つかった」と明かした。

 Googleという最強のパートナーと手を組んだYahoo!は,そう簡単に追いつける相手ではない。だが,ポータル全盛期に唱えられた「打倒Yahoo!」という合言葉が懐かしく聞こえるいま,本気で総合メディア企業への転身を考える楽天は何かを期待させてくれる。

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[中村琢磨, ITmedia]

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