News 2001年4月25日 09:14 PM 更新

スカパー,ADSLとFTTHにラブコール

スカイパーフェクト・コミュニケーションズは,NTTのアクセス回線を利用したコンテンツサービスを推進する。来春には,インターネット接続と衛星波の共用チューナーを投入する予定だ。

 CS放送最大手の「SKY PerfecTV!」を運営するスカイパーフェクト・コミュニケーションズは,NTTと共同でADSLや光ファイバーを利用したコンテンツサービスを推進することを明らかにした。夏までに「フレッツ・ADSL」対応の双方向サービスを開始。来春を目途にインターネットと衛星波の両方に対応したチューナーを投入する。

 同社は,ブロードバンドインフラの普及をサービス拡大の好機と判断し,2つのフェーズで放送とネットワークの融合を図る。まず第1段階として,夏頃にはNTTのフレッツ・ADSLユーザーに向けた双方向サービスを提供する予定だ。内容は,著作権者との交渉も含めて,これから詰めることになるが,放送番組と連携した情報や予告編などのビデオコンテンツが含まれる模様。NTTのIP網内に専用サーバを置き,ユーザーになるべく近い場所から配信するという。また,チケット販売などの双方向サービスにも着手し,「現行のサービスに付加価値を与える」(同社)。なお,配信・課金のしくみは,NTTグループと共同で設立したデータネットワークセンター(DNCC)に委託する。

マルチアングル放送も

 また,2002年春を目途に,IPと衛星波を1台で受けることができる共用チューナーを投入するという。松下電器産業などが推進する「eプラットフォーム」にも名を連ねる同社だが,まずは独自方式のチューナーを投入する構え。このチューナーにはネットワークインタフェースが装備され,フレッツ・ADSLや「Bフレッツ」のモデム/メディアコンバーターと接続する仕組みだ。仕様は,間もなくハードウェアベンダーに公開される。ただし,ビデオ蓄積用のHDDなどは「現在のチューナーは現在とあまり変わらない値段に抑える」(同社)ため,採用されるかどうかは微妙だという。

 この共用チューナーでは,衛星放送とWebの混在した画面をTVに表示することができる。アクセス回線が光ファイバーであれば,「例えば,サッカー中継でメイン画面を衛星波で受信し,好きなアングルのサブ画面をネット経由で取り込むといった使い方ができるようになる」(同社)。

 一方,スカイパーフェクト・コミュニケーションズは,IPですべての放送を行うことについて否定的な見方を示している。「われわれのユーザー数とインフラの整備状況,そして今後の設備投資を考えると,あまり現実的ではない」(同社)。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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