News 2001年5月11日 10:35 PM 更新

ウイルス届出件数,4ヵ月連続減少するも依然高水準

情報処理振興事業協会が4月のウイルス届出状況をまとめた。届出数は減少傾向にあるが,IPAでは「引き続き注意が必要」と呼びかけている。

 情報処理振興事業協会(IPA)は5月11日,4月のウイルス届出状況をまとめた。届出件数は,1236件で前月から240件減。2001年1月から4カ月連続で減少しているが,IPAでは「この数字は前年同月の約2.6倍。引き続き注意が必要だ」としている。

 4月に届出のあったウイルスは55種類。届出の多いウイルスは,「W32/Hybris」(444件)や「W32/MTX」(257件)などで,「W32/Magistr」「Linux/Lion」の2種類が初めて確認された。W32/Magistrは電子メールの添付ファイルを介して広がり,DLLを除く全てのWindows PEファイルに感染する。感染して1ヵ月経過するとCMOSの消去,BIOSのフラッシュを行うという強力なウイルスだ。Linux/Lionは,BIND DNSサーバのセキュリティホールを通じて感染する。感染すると,マシンのパスワードが特定のアドレスに送信されてしまう。

 なおIPAでは今月の特記事項として,1週間に1回は定義ファイルの更新をするよう呼びかけている。「1年間定義ファイルを更新していなければ,4月に届出のあったウイルスのうち,実に4分の3は検出漏れとなる。半年前でも半分は検出できない。定義ファイルの更新は必須だ」(IPA)

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