News 2001年6月6日 11:21 PM 更新

NTTコム が“簡易Web端末”でLモードに対抗

NTTコム が,Lモードよりも高機能な固定電話ベースの電子商取引システムの提供を計画している。

 千葉・幕張メッセで開催中の「NetWorld+Interop 2001 Tokyo」の会場に,「簡易Web端末」と呼ばれる固定電話ベースの情報端末が展示されている。出展しているのは,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)だ。


NTTコム が出展している“簡易Web端末”のプロトタイプ。大型のカラー液晶ディスプレイを備えている。ISDNやADSLで利用することも可能だという

 この簡易Web端末は,その名の通り,Web閲覧機能を備え,電子メールの送受信も行えるというもの。固定電話がベースになっていることのメリットを活かし,Webブラウズ中に「Phone toボタン」を押すとそのまま通話できる仕組みになっている。例えば,「ショッピング関連のサイトで,Phone toボタンを押すとコールセンターにつながり,サポートのほか代行入力をしてくれる」(NTTコム)という。

 NTTコム eスマートトラストサービス部の平田幸路氏によれば,この簡易Web端末は同社の「インターネット認証・決済プラットフォームサービス」(仮称)向けの端末として開発されたものだという。同サービスの特徴は,本人確認ならびに決済にICカードを使用し,「実際のショッピングの際には,ストレスなく手続きを行えるようにする。またセキュリティ面でも非常に強固だ」という点。そのため,簡易Web端末には,ICカードを挿入するためのスロットも用意されていた(写真の画面は,ICカードを挿入して,本人のパスワードを入力する場面だ)。

 「Phone to機能によるサポートを提供することで,デジタル機器が苦手な高齢者でもインターネットを利用することが可能だ。さらに,この端末はJavaを搭載し,遠隔地からブラウザやメーラーの設定が可能なほか,ソフトのバージョンアップも自動で行える。また,銀行や証券会社にとっても,強固なセキュリティを実現する同サービスは魅力的なはず」(平田氏)

 平田氏の言う通り,ユーザビリティと機能性を兼ね備えた簡易Web端末。だが,気になるのは,これはまさに,NTT東西地域会社が提供するLモードと同様のコンセプトに基づく製品であることだ。しかも,Lモードよりもはるかにリッチで多種多様なサービスを実現することができる。平田氏は,この点について「簡易Web端末は,ICカードを利用した決済プラットフォームの一部。Lモードに対抗するために始めるものではないが,結果としてそういうことになるかもしれない」と説明する。

 もしかして,Lモードに県間接続事業として参加しなかったのは,このサービスを計画していたためかと勘ぐりたくなるが,これについては「ノーコメント」とのことだった。なお,簡易Web端末を利用したサービスは来年1月にも開始される予定。NTTコム では現在,同サービスへの加盟店を募集中だ。

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[中村琢磨, ITmedia]

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