News 2001年6月14日 08:18 PM 更新

ソニー,「bit-drive」に動画配信ホスティングサービスを導入

ソニーは,電子メールと動画を組み合わせた広告など,「新しい動画配信のあり方」を提案していくという。

 ソニーは6月14日,企業向けに動画配信ホスティングサービスを開始すると発表した。ブロードバンド接続サービス「bit-drive」の1メニューとして,7月1日よりストリーミングサーバのレンタルやエンコーディングサービスなどを提供する。

 同サービスの特徴は,エンコード方式に独自フォーマットの「MotionViewer」を使用している点。MotionViewerで圧縮されたストリーミング映像は,Javaアプレットの「MotionViewerプレーヤー」で再生することができ,クライアント側で再生ソフトを用意しておく必要がないほか,コンテンツを配信するプラットフォームを選ばないというメリットがある。なお,ビットレートは,ユーザーの接続環境に応じて20Kbps〜1Mbpsとなる。Javaアプレットの容量は,20K〜30Kバイト程度だ。

 このMotionViewerは,ベンチャー企業のiNewsが開発したMPEG1ベースの圧縮形式で,ソニーはiNewsとライセンス契約を結んでいる。ただbit-driveでは,MotionViewerだけでホスティングサービスを行うのではなく,既存の「RealPlayer」や「Windows Media Player」向けの配信サービスも用意するという。

「新しい広告のあり方」

 ソニーがbit-driveに動画配信ホスティングサービスを追加するのは,「電子メールと動画を組み合わせたプッシュ型プロモーションや,動画バナー広告など,新しい動画配信のあり方」(ソニー)を提案するのが目的だという。例えば動画メールでは,Java対応のメールソフトであれば本文内にJavaアプレットを埋め込んで(対応ソフトはMotionViewerのサイトを参照),インタラクティブなアンケートやゲーム形式の広告などを送信できる。

 既に,味の素やトヨタ自動車,ビックカメラなどが導入を決めており,エキサイトでは,正式サービス開始前の6月15日より田中麗奈主演の映画「東京マリーゴールド」を紹介する動画コンテンツをMotionViewerで配信する予定。また日本航空では,空港のラウンジや入国審査状況などをストリーム映像で配信するという。Javaアプレットのため,プレーヤーのインタフェースを顧客企業側ごとにカスタマイズできるのも特徴だ。

 bit-driveでは,100Mbpsの回線を使用する「共用サーバタイプ」でホスティングサービスを提供する。料金は,3カ月以上利用する場合,エンコーディング方式にMotionViewerを使用し,サーバ容量が100Mバイトで月額15万円。短期プロモーションなどに利用する場合には,同条件で,10日ごとに9万円の料金を徴収するメニューも用意した。なおソニーでは,2001年度末までに獲得顧客数は100社,売り上げは10億円を見込んでいる。

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[中村琢磨, ITmedia]

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