News 2001年6月15日 05:17 PM 更新

意外に使える(?)Lモード(2)

メールアドレスは電話番号もネームアドレスも有効

 iモードの場合,メールアドレスを電話番号からネームアドレスに変更してしまうと,電話番号形式のアドレスに対してはメールを送信できない仕様になっている。これに対しLモードのLメールでは,ネームアドレスに変更しても電話番号形式のアドレスに対するメール送信は有効だ。

 正確にいうと,「電話番号アドレスとネームアドレス両方を有効」「ネームアドレスのみを有効」を設定で選択することができるようになっている。もっともこれは,その後iモードでの迷惑メールが問題になり,iモードでは電話番号アドレスそのものを完全にとりやめることになってしまったため,Lモードのセールスポイントとしてあまり訴求しない話になってしまった。今後,迷惑メール対策についてはiモード同様,具体的に問われることになるだろう。

 とはいえ,実際にLモード相手の迷惑メールが本当に頻発することになるかは,Lモードのユーザー数次第だ。電話加入者全体に対するLモード利用者の割合は,おそらくどんなに順調にいっても,電話加入者5000万対Lモード契約者100万といった感じになると思われる。携帯電話に比べるとかなり差の開いたものだ。

 ちなみにLメールは,最大2000文字のメール受信が可能。アドレスは1電話番号に対して1つのため,一家でひとつを共有する形になる。ただしISDNで3つまでの局番がもらえるiナンバーの契約者ならば,電話番号ごとにLモードの契約料を払うことにより,複数のメールアドレスが利用可能になる。

ついつい指で液晶を押してしまう…

 これまでLモード対応の電話機やFAXが出展されたビジネスシヨウなどの展示会の会場で,傍から見ていて気づいたことがある。まずLモードの使用中に話中になるのか,ということを気にかけ質問する利用者がかなり多いということだ。


ビジネスシヨウ会場でLモードに関心を寄せる人々。注目度は高いようだが……

 確かに一般の感覚では,話中になればL モードで情報を取り出している間に,別の緊急性の高い情報を逃しているかもしれないわけで,当然の要望と言えるだろう。現状,Lモード使用中は通話はできない仕様になっているが,キャッチホンと連携して,電話がかかってきたらそれを受け,その後にまた画面のキャッシュを操作しコンテンツの利用を再開できるようにする,といった仕様が必要だと思う。

 また,Lモードは電話機に設けられたカーソルと決定ボタンで操作するわけだが,実際にはメニューを選択しようとしてボタン操作に入るのではなく,いきなり液晶画面のメニューの文字の上を指で触ってしまうという人も多く見られる。Lモードは液晶の文字が大きく,見やすいというのも売り文句の一つ。そのせいもあって,タッチパネルで動くと錯覚する人もいるようだ。人間の感覚としては,これも無理のないことなのかもしれない。

 Lモードは使いやすさと同時に,こうしたいくつかの使い勝手の改善点を残してもいる。今後,実際のサービスが普及していくなかで手直しはされていくだろう。とにかく,意外に使える“かもしれない”ナローバンド。Lモードは,いよいよこれからが本番だ。

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[大水祐一, ITmedia]