News 2001年7月5日 09:42 PM 更新

「米国版の2週間後に発売するかは未定」――Windows XP日本語版でマイクロソフト日本法人

日本語版Windows XPのRC1が,7月25日までにテスター配布されることが,5日,同社日本法人幹部の発言で明らかになった。しかし,発売日については明言せず,米国版の2週間後という法則が今回は守られない可能性を示唆した。

 マイクロソフトは7月5日,Windows XP日本語版発売までのスケジュールを一部明らかにした。マスコミ向けに行われたセミナーの席上で,同社エンタープライズ・セールス/マーケティング部門製品マーケティング本部Windows製品部の御代茂樹部長が述べたもので,それによると日本語版RC1は7月25日までにテスター配布される。


日本語版Windows XPのリリーススケジュールに触れる御代茂樹部長

 米国ではWindows XPのRC1(リリース候補第1版)が6月29日にリリースし,7月2日にはテスターやプレビュープログラム参加者約10万人に発送されている。日本語版のRC1について御代部長は「7月10日に米国でCDにライティングされる予定。当日は日本のスタッフが,何千枚というCDをシアトルからハンドキャリーしてくる。梱包などの準備を経て,2週間後の7月25日までには日本のテスターに配られる予定」と語った。RC1では,プロダクトアクティベーションによるインストール回数は10回までになるという。

 日本語版RC1は,マーケティングデータ収集を行う「Windows XP Preview Program」の一環として配布されるが,Windows 2000のベータテストの時のように,一般公募や雑誌の付録添付といった,不特定多数のユーザーへの配布は行わない。配布枚数は,これまでのベータ版とほぼ同じ約5万枚を予定しているが,配布先については同社販売チャンネルの取引パートナーに限定するという。

 「ドライバーなど整っていないこともあり,ビジネスユーザーを中心としたレビューに集中する。一般ユーザーへのアナウンスは,各種メディアの評価記事などを通じて行いたい」(御代部長)。

 日本語版RC1リリースと同時に,ベンダー向けに互換性テストや新しい「ロゴプログラム」に関するテストを開始し,RTM(製造工程向けリリース)まで各種テストは続けられるという。RTMの時期について御代部長は「英語版が8月末,日本語版はプラス2週間後」とし,9月中旬には日本語版RTMが完了すると述べた。

 このRTMの時期に関しては,9月19日から開催されるWORLD PC EXPO 2001を「重要なポイント」(同氏)としている。同社では「WORLD PC EXPOには本社のエクゼクティブを多数招き,展示会を“Windows XP Ready”としたい」ことから,少なくとも開催前にはメーカーやベンダーに対して日本語版RTMを完了させる方針。

 Windows XPの発売日については,英語版が10月25日発売をアナウンスしているのに対し,日本語版の発売日はまだ公表されていない。御代部長はこの点について「個人的には(10月27日から開催の)モーターショーの時期は避けたい」と冗談めかしながらも「発売日はまだ決めかねている。英語版と同時にリリースするかもしれないし,少し猶予を置くかもしれない。英語版出荷から2週間後に日本語版をリリースするというこれまでの法則は,今回のXPには当てはまらないかもしれない」と発売日の明言を避けた。

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[西坂真人, ITmedia]

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