News 2001年7月24日 11:30 PM 更新

シャープ,ワイヤレス対応の液晶TVを発表

シャープが24日に発表した液晶カラーテレビの新製品は,PCカードスロット搭載や,別売りワイヤレスモジュールでモバイルテレビを実現するなど,意欲的な製品に仕上がっている。

 シャープは7月24日,液晶カラーテレビAQUOSシリーズの新製品「B1シリーズ」3機種を発表した。今回の新製品は「PCカードスロットを全機種に搭載」,「ワイヤレスモジュール」で“モバイルテレビ”を実現したことが最大の特徴となっている。都内のホテルで行われた発表会には,今年初頭の話題をさらった同社液晶テレビの新製品が発表されるとあって,大勢のマスコミ関係者が集まった。


新製品発表会場にはAQUOSシリーズが集結。さほど広くない壇上にずらりと並んださまは圧巻。省スペースの液晶TVだからこそ実現可能な光景だ

 同社常務・AVシステム本部長の濱野稔重氏によれば,この新製品の狙いは「従来のCRTではできなかった,モバイル性豊かな暮らしを実現すること」。


「B1シリーズはモバイル性豊かな暮らしを実現する」と語る濱野氏

 同氏の言う“モバイル性豊かな暮らし”を実現するオプションが,新AQUOSシリーズと同時に発表されたAVデジタルワイヤレス伝送システム「スマートリンク AN-SS700」だ。価格はオープンで,8月3日から発売する。市場価格は5万円前後となる見込み。

 発信機と受信機がセットになったスマートリンクは,テレビやビデオの映像/音声をMPEG2に圧縮して無線伝送する。送受信には,2.4GHz帯(IEEE802.11b準拠)の電波を利用するため,伝送距離は30メートル以内となり「家の中ならどの部屋でも送受信できる」(同社)という。AQUOSのデザインを踏襲した受信機は,専用アタッチメントを介して液晶背面部分に取り付けることもできる。


モバイルテレビを実現するスマートリンク。本体デザインと共通のラウンドフォルムは非常にコンパクト。左が受信機で右が送信機

 送信機側にTV/BS/CSチューナー,DVD,ビデオなどを接続してあれば,本体だけを持ち歩いてコンセントに挿し込むだけで,家の中のどの場所でもさまざまな映像ソースを楽しむことができるというわけだ。アンテナ端子のないキッチンやベッドルーム,バルコニーといった場所でもテレビを楽しむことができる。

 新製品のもうひとつの特徴であるPCカードスロットは,「液晶テレビは,簡単・気軽に使えるエンターテインメント」(濱野氏)を実現するための新機能だ。液晶テレビ本体の横,右スピーカー上部の裏側付近にTYPE II準拠のPCカードスロットを1スロット装備している。本体の横にPCカードを挿し込むような形となる。


本体横に装備されたPCカードスロット。デジカメで撮った映像などをPCを介さずに見ることができる

 PCカードスロット搭載により,デジタルカメラで撮影した静止画をPCを介さずに直接見ることができる。静止画再生機能は,DCF規格に対応。専用カードアダプタを介して,コンパクトフラッシュやスマートメディア,SDメモリーカード,メモリースティックなどさまざまなメモリカードに対応できるのも,TYPE II規格のスロットならではだろう。

 スライドショー再生の操作も,リモコンで簡単にできる。自動再生の間隔は5秒/10秒/1分/15分/60分の5段階に変更可能だ。9枚の画像を一覧表示するインデックス再生や,指定した順番に画像を表示する「マイプログラム」など,さまざまな表示方法を選択できる。「スマートリンクと併用すれば,ホテルのラウンジやレストランのメニュー表示など業務用として,また家庭のインテリアディスプレイとしても利用できる」(同社)。

 新しいデザイン感覚のスタイルがAQUOSシリーズの特徴だが,今回のB1シリーズもC1シリーズに引き続き,国際的なインダストリアルデザイナーの喜多俊之氏がデザインを担当している。21世紀の幕開けを象徴するような前衛的なデザインが特徴だったC1シリーズに比べ,スピーカーを液晶の両サイドに配したB1シリーズは,PC用液晶ディスプレイと似たようなデザインとなり,ややおとなしめの印象を受ける。


B1シリーズの最上位機種,20型のLC-20B1。前衛的な前モデルと比べると,少しおとなしいデザイン?

 前モデルのAQUOS C1シリーズは,今年1月にセンセーショナルなデビューを飾った。発売から7カ月が経過したが,依然として販売は好調なようだ。「液晶テレビの特徴である,薄い,軽い,新しいデザイン感覚などが評価され,好調に販売を伸ばしている。C1シリーズもここ数カ月は毎月2万〜3万台ペースで推移している。B1シリーズの投入で,今年度(2001年4月〜2002年3月)の国内販売目標は60万台強を目指している」(濱野氏)。

B1シリーズの主な仕様は以下の通り。

形名 LC-20B1 LC-15B1 LC13B1
画面サイズ 20型 15型 13型
液晶パネル ASV方式低反射ブラックTFT液晶
接続端子 ビデオ入力×2,S入力×1,D1入力×1,モニタ出力×1,アンテナ入力×1,ヘッドフォン出力×1
重さ(スタンド含む) 約8.4キロ 約5.3キロ 約4.4キロ
価格 23万円 16万円 10万3000円
発売日 8月10日 9月1日 8月1日

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[西坂真人, ITmedia]

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