News 2001年7月31日 09:17 PM 更新

インテル発表会──各社の新作ノートPCが勢揃い

インテルの「モバイルPetnium III-M」発表会には,PCメーカー各社が搭載製品を出展。東芝からは,黒い鉄のカバーに覆われた謎のノートPCが登場した。


モバイルPentium III-Mプロセッサを発表する米Intel マーケティング担当ディレクターのDon MacDonald氏
 既に,NEC,富士通,デルコンピュータ,日本アイ・ビー・エム(IBM),ならびにソニーからモバイルPetnium III-Mを搭載する製品が発表されているが,ソニーの「バイオノートGR」を除いて,基本的には企業向けという位置付けだ。

 またハイエンドの製品だけに,価格のほうもなかなか高価。例えば,富士通の「FMV LIFE BOOK 6113NA9/B」は,CPUに1.13GHz動作のモバイルPentium III-M,グラフィックは加ATI Technologiesの「MOBILITY RADEON-M」(×4 AGP)という仕様で,価格は49万8000円より。NECが発表した企業向けノートPC「VersaPro VA11J/DF」も,同様の仕様で価格は46万7000円からとなっている。

 一方,デルコンピュータの「Inspiron 8100」は,22万8800円とほかのメーカーと比べてかなり低価格。これは,866MHz版のモバイルPentium III-Mプロセッサを使っているほか,メモリ容量を64Mバイトに抑えているためだが,実はInspiron 8100は,チップセットに同日発表された「i830MP」ではなく,既存の「i815EP」を使用している。


Latiude C810もi815チップセットを採用

 本日発表された製品は,デルを除いて“モバイルPetnium III-M+i830MP”というパターン。米IntelのDon MacDonald氏も,「モバイルPetnium III-Mとi830MPとの組み合わせで最高レベルのノートPCが実現される」と強調していたのだが……。デルによれば,i815EPを選んだのは「供給が安定しているから」とのこと。どうやら,例の「暴れ馬」の件とは関係ないらしい。

東芝が“覆面”ノートPCを出展

 このほか,記者会見場には日本ヒューレット・パッカード(HP),コンパックならびに東芝のモバイルPetnium III-M搭載ノートPCが参考出展されていた。

 東芝のノートPCは,キーボードが黒い鉄製のカバーで覆われおり,案内には「モバイルPentium III-M/1.13GHz」と書かれているだけ。同社担当者によれば,チップセットにはi830を搭載するらしいが,そのほかの詳細は不明だ。「自社で製品発表会を行うので,それまでは公開しない」(同)


何やら物々しい雰囲気だが,「特に,デザイン的にそれほど特徴があるわけではない」(東芝担当者)という話も……

 日本HPの「hp omnibook 6100」は,無線LAN機能を内蔵するのが特徴。CPUはモバイルPentium III-M/1.13GHz,チップセットにはi830MPを採用。そのほか,256Mバイトのメモリ,30GバイトHDD,15型XGA(1400×1050ピクセル)対応液晶ディスプレイ,ならびに8倍速DVD-ROMドライブなどを搭載する。


無線LANの電源スイッチが側面に付く。重量は2.3〜2.9キロ,厚さは32ミリ。無線LANの電源を入れるとサイドのLEDが青く光る

 日本HPの担当者によれば,hp omnibook 6100は来月中にまず米国市場で発売される予定。さらに,無線LAN内蔵モデルとしては,B5型のモバイルノートPCの投入も計画されているもようだ。

 またコンパックの「Evo Notebook N600c」は,1.06GHz動作のモバイルPentium III-Mプロセッサとi830チップセットを装備。ディスプレイには,14.1型XGA(1200×1024ピクセル)対応液晶を搭載する。厚さは31ミリ,重量は2.2キロ。価格は未定だが,同社によれば30万円台半ばになる見込みだという。


128Mバイトのメモリ,20GバイトHDD,8倍速DVD-ROMドライブなどを装備する

 ところで,別記事で触れたようにモバイルPentium III-M搭載ノートPCは,発熱対策がメーカーの腕の見せ所となっている。Evo Notebook N600cではファンを大きくするなどの工夫をしており,「11時から電源は入れっぱなし」(アクセスビジネス統轄本部の山上正彦氏)という割には,それほど熱くなっていない(触ってみたのは午後2時30分頃)。もちろん,「熱対策をしなければ,従来のノートPCよりも熱くなってしまう」(山上氏)。

 今のところ,発表されているモバイルPentium III-M搭載製品は,A4サイズのオールイワンノートPCばかり。DeeperSleep技術や拡張版SpeedStepテクノロジの性能を堪能するために,早くモバイル用ノートPCでの採用を望みたいところだ。

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[中村琢磨, ITmedia]

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