News 2001年8月6日 11:37 PM 更新

松下のDVカメラを買うと,もれなくデジカメがついてくる!?(1)

松下電器が発表した「ネットワーク2WAYデジカム NV-EX21」は,DVカメラユーザーだけでなく,デジカメユーザーも取り込もうとする欲張りな新製品だ。


ネットワーク2WAYデジカム NV-EX21

 松下電器産業は8月6日,「ネットワーク2WAYデジカム NV-EX21」を9月1日に発売すると発表した。DVビデオ部とカメラ部が着脱式になっているのが特徴となっている。カメラ部を単独で使用することで,SDカードをメディアにしたムービー機能付きデジカメとして利用できる。このDVユニット部を外した状態を松下では“SDムービーカメラ”と呼ぶ。


SDムービーカメラの状態。DVカメラ部を外すことで,小型軽量を実現している

 SDムービーカメラの時,画像データはSDメモリーカードに記録する。記録方式はMPEG-4を採用しており,64MバイトのSDメモリーカードで,約65分の動画撮影が可能だ。画像サイズは176×144ピクセルのみとなっている。SDメモリーカードも大容量化が進んでいるので,もう少し大きいサイズの画像が記録できてもよいところだ。

 静止画は,1200×900ピクセルと640×480の2サイズが記録可能で,画質もそれぞれファイン/ノーマル/エコノミーが選択できる。


MPEG-4動画や静止画を記録するSDメモリーカードのスロットを装備

 Bluetoothアダプターキットも別売りで用意しており,半径10メートル以内でのPCとのワイヤレス接続を実現する。DVテープやSDメモリーカードの画像を伝送することができるほか,カメラスルー映像を静止画で伝送できるため,子供の様子を別の部屋で見るといったモニタリング用途にも利用できる。価格は,アダプターとPCカードのセットで4万9800円となっている。

 Bluetoothアダプターは,DVカメラの前面部にあるデジタル静止画端子に装着するのだが,羽のような形でアダプターとDVカメラの接合部はフレキシブルにプラプラ動き,お世辞にも専用設計とは思えない。松下の担当者に尋ねると「そう見えますか」とはぐらかされたが,Bluetooth汎用品として別のAV製品(もしくは白モノ家電?)にも流用する意図があるのではないだろうか。


専用設計には見えないBluetoothアダプター。フレキシブルにプラプラ動く

 同社では,昨年10月発売のNV-MX3000から,DVカメラへのLeicaレンズ搭載を行っている。今回の新製品もLeica Dicomarレンズを採用しており,優れた描写力を実現しているという。102万画素CCDを採用し,光学10倍,デジタル100倍のズーム機能など,最近のメガピクセルDVカメラとしての基本性能は押さえた仕様となっている。なお,手ぶれ補正は「コンパクト性を重視」(同社)し,光学式ではなくデジタル式を採用している。

DVカメラにデジカメをつけた理由

 デジタルカメラの急伸ぶりとは対象的に,ビデオカメラ市場はここ数年「微増」という状況が続いている。国内ビデオカメラ出荷データを見ても,5年前の124万2000台に対し昨年が142万台と5年間で14%しか伸びておらず,対前年で下がっている年もある。完全に需要の頭打ち状態だ。


ビデオカメラの出荷台数推移

 さらに驚くべきデータは,ビデオカメラが使われる頻度だ。

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