News 2001年8月8日 11:59 PM 更新

インターネットカメラでブロードバンドを100倍楽しむ方法(2)

 となると,誰とチャットしたらいいのだろうか。既存のNetMeetingのディレクトリリストにはかなり怪しいメッセージを掲載しているユーザーも見られる。友達と示し合わせてインターネットカメラを購入し,ビデオチャットに興じるだけでも楽しめるとは思うが,ビデオチャットというジャンル全体について考えると,“出会い”の要素が絡まなければ爆発的に普及とまではいかないだろう。

 ほかにも,現状ではビデオチャットが流行りにくいと思われる理由はある。ビデオチャットの良いところは,相手の顔を見ながら話しができるところだが,逆に,顔を見せたくない場合もある。単身赴任のお父さんや遠距離恋愛中の恋人同士で顔を見せたくないといったら修羅場になることは間違いないが,NetMeetingで知らない人とチャットする場合はどうだろうか。

 韓国のPC房(韓国のインターネットカフェ)では,顔を表示させたくない場合は任意の画像を選べるサービスもあるようだが,せっかくのビデオチャット。静止画を眺めていても楽しくない。目や口の動きを抽出し,3Dアニメ―ションのアバターを生成するソフトなどがあれば,安全で楽しくビデオチャットを利用できるようになるだろう。

ブロードバンドをさらに活用

 ビデオチャットは,ブロードバンド時代のキラーコンテンツになる可能性を秘めたサービスであることに疑いの余地はないが,QCam WebやWebCam GOは何もビデオチャット専用のアイテムというわけではない。

 確かに,低価格製品なので遠隔操作などの機能は備えていないが,使いようによってはブロードバンドが100倍楽しくなるかもしれない。これが,「ブロードバンド時代にはインターネットカメラ」と主張するもう1つの理由である。

 自宅のPCにカメラを接続し,会社のPCからその様子をチェックする。単機能なので監視カメラにはなり得ないのだが,熱帯魚だったり猫だったり,飼っているペットを映し出してみるのも面白いだろう(PCの電源を付けっぱなしで出かけなければならないのは,電気代やセキュリティ的に心配ではあるが)。

 もちろん,家族がいる人でも,IT業界の会社で仕事が忙しくてほとんど帰れないときなど,愛するわが子の姿を見ることだって可能だ。自宅に常時接続環境があるからこそ可能な利用方法だ。会社のPCに私物のインターネットカメラを接続することを許してくれる寛容な会社なら,もっとインタラクティブなコミュニケーションができる。

 また,こうしたインターネットカメラこそ,Bluetoothに対応することで商品的な価値は大幅にアップするのではないだろうか。現在のインターネットカメラはUSBインタフェースのものがほとんどだが,有線だとPCの近くにカメラを設置しなければならないという制限がある。

 ワイヤレスになれば,発見しにくい場所にカメラを設置して,監視カメラ的な使い方も可能になる(ただ,NetMeetingでは映像を記録することはできないので,ずっとPCの前で見張っていなければならないのが難点だが)。ついでにマイクも内蔵すれば,簡易放送システムも実現できるかもしれない。

 この夏,インターネットカメラで面白い遊びを考えてみてはいかがだろうか。

 

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[, 中村琢磨, ITmedia]