News 2001年8月20日 11:45 PM 更新

ソニー,Bluetoothでネット接続できる「ネットワークハンディカムIP」発表(1)

Bluetooth内蔵でPCレスのネットワーク環境を作り出すソニーのDCR-IP7。高画質かつ世界最小・最軽量ボディを作るため,新メディアや専用LSIまで開発するなど,新市場創造に取り組む同社の意欲作だ。

 ソニーは8月20日,家庭用デジタルビデオカメラの新製品「ネットワークハンディカムIP」(DCR-IP7)を10月10日に発売すると発表した。

 Bluetooth通信機能を内蔵し,携帯電話やモデムアダプターを介してインターネットに接続できる。これによって,メモリースティックに記録した映像の送受信やWeb上でのアルバム作成,ホームページ閲覧といったインターネット環境がPCを介さずに利用できる。

 また,MPEG-2方式で記録する新フォーマットを採用し,専用テープカセットも新たに開発することで世界最小・最軽量ボディを実現している。価格はオープンで,実売は17万円前後となる見込みだ。


世界最小・最軽量ボディを実現したDCR-IP7

 従来のDVフォーマットに代わってDCR-IP7で新たに採用された記録方式は,「MICROMV」(マイクロエムブイ)という。このMICROMVは,転送レート12MbpsのMPEG-2方式で動画をデジタル記録するという新システムのため,同社では専用メディア(テープカセット)もあわせて開発している。48MビットDRAMを混載したMPEGコーデック用LSIも,今回の新製品専用に作られたものだ。

 また,記録密度を高めるために,VTR用のMRヘッドも新たに開発している。MRヘッドといえば,HDDの読み取り装置として一般的だが,磁気による抵抗値変化を利用したこのシステムをVTR用に応用することで「DV方式と同等の画質でありながら,約3倍の高密度記録・再生が可能」(同社)になっている。

 専用メディアのMICROMVカセットは,60分タイプの「MGR60」がDCR-IP7と同日の10月10日に発売,価格はオープンだが,実売は1500円前後となる見込みだ。


新開発のVTR用MRヘッドで,DV方式に比べて約3倍の高密度記録・再生ができる

 本体サイズは,47(幅)×103(高さ)×80(奥行き)ミリで,重さは約310グラム。「8月20日現在,民生用デジタルビデオカメラでは世界最小・最軽量」(同社)だ。小型軽量なバッテリーも新たに開発され,テープやバッテリー(NP-FF50)を含んだ撮影時の重さでも370グラムしかない。

 MICROMVカセットの大きさは,46(幅)×30.2(高さ)×8.5(奥行き)ミリで,従来のMiniDVカセットよりも容積比で約30%となり,2回りほど小さいサイズとなっている。オーディオ用のDATカセットよりも小さく,マイクロカセット並みの大きさと言えば想像がつくだろうか。このメディアの小ささが,世界最小・最軽量のボディ作りに貢献している。


本体とMICROMVカセット。小さなメディアが,小型軽量化に貢献している

 本体にメモリースティックスロットを搭載し,メモリースティックに動画(MPEG1)や静止画(JPEG)が記録できる点は,これまでのハンディカムシリーズと同様だ。ただ,撮影したメモリースティック内のデータを電子メールで送ろうとする場合,従来はメモリースティックをPCに挿すか,IEEE1394(iLink)経由でPCに撮影データを取り込んで,メールソフトを使い添付ファイルとして送るのが一般的だった。

 それが今回の新製品では,本体にBluetooth機能を内蔵し,同機能に対応したBluetooth搭載携帯電話(au「C413S」)や,新製品のBluetooth搭載モデムアダプター「BTA-NW1」(3万3000円)を利用することで,ダイレクトにインターネットへ接続できる。


Bluetooth搭載携帯電話やモデムアダプターで,PCを使わずにネットワークに接続できる

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