News | 2001年8月23日 11:59 PM 更新 |
日本AMDは8月23日,「AMD Developer's Conference」を開催した。今年で9回目になる同セミナーの今回のテーマは「DDR SDRAM」。混沌としているポストSDRAMで,DDRが主役になろうとしていることを強く訴えかける内容だった。
ポストSDRAMで最有力のDDR
現在主流のSDRAMの後継となるメモリシステムでは,インテルがかつて強く支持していたRDRAMが「本命」と言われた時期もあった。だが,コスト面の不利や高速メモリを生かす環境が整っていなかったなどの理由で普及には至っていない。
一方,DDR SDRAMはRDRAMに匹敵する高速性能を持ちながら,低コストであることを武器に,AMDのAthlonプロセッサとの組み合わせで勢力を伸ばしてきている。インテルも,来年の春にPentium 4向けの低価格チップセット「i845シリーズ」にDDR SDRAMをサポートするバージョンを追加することを表明している。
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DIMMの価格推移。当初に比べたらRDRAMも驚くほど値下がりしているが,それでもDDR SDRAMの2倍だ(拡大画像) |
日本AMDの堺和夫社長は「今年後半,皆さんがあっと驚く新しいPCベンダーがAthlonプラットフォームとDDR SDRAMの組み合わせを採用する。IT業界は不景気な話が多いが,こういう時にはきちんとした物作りを業界一丸となってやっていく必要がある。AMDはその旗振り役として,今回のDDR SDRAMの件も含め,先頭に立って走りたい」と冒頭で挨拶した。
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「DDRを積極的に推進していく」と語る堺社長 |
コストはSDRAMと変わらない
セミナーでは,メモリチップ/モジュールベンダーの日本マイクロン・テクノロジーや,メモリモジュールベンダーのメルコの担当者が,DDR SDRAM市場の見通しやメモリモジュール規格の詳細,今後の予定などについて話したほか,チップセットベンダー,マザーボードベンダーなど広範なベンダーによるDDR SDRAMサポートの予定が示された。
日本マイクロン・テクノロジー アカウントマネージャの山ノ上仁史氏は「メモリベンダーとしては悲しむべきことかもしれないが,DDR SDRAMの価格はPC133 SDRAMとほぼ同じになってきた。DDR200を採用するPC1600 DIMMの価格はPC133 SDRAM同じ。DDR266を採用するPC2100 DIMMは10%程のプレミアムが乗るものの,これも今年第3四半期にはPC133 SDRAMと同一水準になる」と,DDR SDRAMの安さを強調。「我々が儲けるのは来年以降になりそうだ」と自嘲気味に話した。
来年以降というのは,より高速なメモリへの移行が見込まれているためである。366MHzの転送レートとなるPC2700 DIMMは,年内に動作確認テストのフェーズに入り,来年の第1四半期には出荷を開始する。これも来年の第2四半期には,現在のPC2100 DIMMと同程度の価格で提供できるようになるという。こうした製品で地ならしをして,次世代DDR SDRAMであるDDR2へと繋げ,そこでハイパフォーマンスメモリとしての利益を得たいという考えだ。