News 2001年8月27日 11:36 PM 更新

Xbox,本体は出遅れも,タイトル制作は順調?(1)

国内発売が来年2月22日に延期されたXbox。まずは米国市場に注力する狙いのようだが,国内年末商戦を逃すことはXboxにとって痛手とならないのだろうか? マイクロソフトの答えは「長い目で見ている」だった。

 マイクロソフトのゲーム機「Xbox」の発売日が延期された。国内発売は2002年2月22日だ。

 欧州に続き,国内の発売も来年にずれ込んだXbox。その理由についてマイクロソフトの常務取締役兼Xbox事業部長の大浦博久氏は,「まず,米国クリスマス商戦を成功させようという戦略。そこから,勢いに乗って国内にやってくる」と説明する。

 欧州の延期は,米国市場への供給分を確保するのが狙いであった。米Microsoftでは,北米市場向けXboxの初回出荷台数を60〜80万台としているが,欧州との同時発売に耐えるほどの台数を用意するのが困難と判断したわけだ。


実際の「Xbox販売コーナー」を想定した演出も

 ある情報筋は,国内の延期も「米国市場にXboxを回すためだ」と指摘する。「Xboxは,Flextronics Internationalが,メキシコならびにハンガリーで製造することになっているが,まだ北米向けの製品も生産も始まっていない状況。日米同時発売するほどの余裕はないはず」(同)。

 なお,マイクロソフトでは,Xboxの生産状況について,「工場の生産ラインは既に稼動しており,ベータ版もそこで作られたものだ。ただ,製品版が生産されているかどうかは,コメントできない」としている。

ゲームメーカーは理解を示す

 国内での年末商戦を逃すことは,Xboxにとって痛手ではないのだろうか。

 大浦氏は,「痛くないことはないが」とした上で,「ゲームコンソールの製品寿命が5〜6年と言われているように,長い目で見れば,国内で2001年の年末商戦を逃すことの影響は少ないはず」と強調する。

 また,同日Xboxへの正式参入を発表したナムコのコンシューマー販売本部長である原口洋一氏が,「半年,1年で結論を出すのではなく,気長に付き合っていく」。ワウエンターテイメントの中川力也社長も,「開発期間のことを考えると,ちょうどいいくらいのずれ込み」とコメントするなど,Xboxの発売延期について,ゲームメーカーの理解は得られているようだ。

 なお,Xbox本体の価格については,「発売日までに発表する」(大浦氏)として,コメントを避けた。北米向けは299ドルで販売される予定だ。


8月時点でフィックスしているXboxのスペック

 また,XboxでDVDタイトルを観るには,「DVD再生キット」(別売り)が必要になることが明らかにされた。「Xboxはあくまでゲーム専用機」(大浦氏)という方針のためで,価格は未定。本体と同時に発売される。

続々登場するXboxタイトル

 Xboxのビジョンは,「CHANGE THE GAME」である。延期の件はさておき,「ゲームの全ての常識を覆す」「体験が変わる」と大浦氏もXboxを大いにアピールした。

 大浦氏が強気なのは,この日,アトラス,フロム・ソフトウェア,ならびにナムコの3社がXboxへの参入を正式に表明したほか,カプコンの「幻魔 鬼武者」,コナミコンピュータエンタテインメント東京の「サイレントヒル2 最期の詩」,ならびにテクモの「デッド オア アライブ3」といったXbox向けビッグタイトルが,かなりの完成度でデモンストレーションされたからだ。

前のページ1 2次のページ