News 2001年8月30日 09:24 PM 更新

日立,ハイビジョン対応プラズマTV「WOOO」を発表(1)

日立が発表したプラズマTVの新製品は,同じ電極数で倍の精度となる「ALIS方式」PDPの採用で,世界で初めて37V型プラズマTVのハイビジョン化に成功した。

 日立製作所は8月30日,ハイビジョン対応プラズマTV「WOOO(ウー)」シリーズ3機種を発表した。37V型のBSデジタル内蔵ハイビジョンプラズマTV「W37-PDH2100」では,同じ電極数で倍の精度となる「ALIS方式」PDPを採用,37V型プラズマTVのハイビジョン化を世界で初めて実現している。9月20日発売でオープン価格。実売予想価格は80万円前後となる見込みだ。


ハイビジョン対応プラズマTV「WOOO(ウー)」

 プラズマTVをハイビジョン化するためには,PDPの解像度を上げることが必要になってくる。そのためには,画素ピッチを小さくして電極数を増やす必要があった。しかし,高度な微細加工技術が求められる上に画素ピッチを小さくすると輝度が低下するという問題もあるため,ある程度の大画面でないとハイビジョン化は難しかった。

 そこで今回の新製品では,画素を発光させる電極を偶数ラインと奇数ラインで交互に発光させる「ALIS方式(Alternate Lighting of Surfaces Method)」のハイビジョンPDPを採用した。通常方式では1/60秒ごとに同じラインが発光するが,ALIS方式では電極全てを1/60秒ごとに交互に発光させるため,同じ電極数ながら倍の精度を実現している。


ALIS方式は電極を交互に発光させて通常方式の倍の精度を作り出す

 このALIS方式によって,民生品では業界最小の0.81×0.45ミリという画素ピッチでハイビジョンPDPパネルを作ることができ,37V型でもハイビジョンに対応できたというわけだ。このALIS方式ハイビジョンPDPパネルは,同社と富士通,ソニーの合弁会社「富士通日立プラズマディスプレイ(FHP)」から供給されている。

 今回の新製品は,映像をPDPフォーマットへ変換する「AVCステーション部」と「モニター部」とが分離されているため,モニター部が薄型サイズとなり,設置レイアウトの自由度が高まっている。

 さらに着脱できるセパレート構造のスピーカーを採用しており,モニター部の横幅にあわせた省スペース設置ができる。そのほかに,画面を左右に20度ずつ動かすことのできるスイーベル(回転)機構を付属卓上スタンドに採用している。


薄型サイズのモニター部

 また,モニター部から離れた位置に設置したビデオデッキやDVD,HDDビデオレコーダーなど外部機器を操作できる「メディアコントロール機能」を搭載している。

 外部機器のリモコン信号をモニター部で受信し,AVCステーション部に付属されているメディアコントローラーを通じてリモコン信号を発信する機能で,赤外線信号を伝達するパイプのような仕組みだ。これによって,外部機器を操作する際に,リモコンをビデオデッキやDVDの方向に向けなくてもよくなり,モニターに向かってリモコン操作できるというわけだ。


赤外線信号を離れた外部機器まで伝達するメディアコントローラー

前のページ1 2次のページ