News 2001年9月20日 11:42 PM 更新

豪州製お掃除ロボット,来年にも国内発売?

WORLD PC EXPOでオーストラリアのベンチャー企業が掃除ロボットを展示していた。17万〜18万円と,ロボットとしては破格のプライスが特徴。畳でも使える日本仕様も開発中だとか。

 オーストラリアのベンチャー企業FloorBoticsのブースで,掃除ロボットが展示されている。実演デモも行われており,障害物をよけながらゴミを吸っていく様子を実際に見ることができる。


FloorBoticsのお掃除ロボット

 「V4 robotic vacuum」と名づけられたこの掃除ロボットは,半球型のスタイルで,上部が濃いブルーのスケルトン仕様になっている。中身は配線が入り乱れ,むき出しの基板やガムテープ?らしきもので止めてある部分もあるなど,なんとも“手作り感”の漂うロボットだ。


配線が入り乱れた内部。スケルトンの透明感が弱くて最初は見えなかったが,フラッシュ撮影でバッチリ写った

 大きさは直径,高さともに約40センチで,炊飯ジャーを一回り大きくしたようなサイズだ。バッテリーを含めた本体の重さは8キロ。「半分はバッテリーの重さ」(同社)ということなので,かなりの軽量設計だ。ボディはプラスチックやFRPのようなもので作られており,それが軽量化に一役買っているようだ。

 本体前部にWebカメラを搭載しており,TV信号や無線LANでそのデータを送信。家庭用TVやPCで画像を見ることができる。離れた場所から掃除状況を確認できるほか「高齢者のモニタリングや警備などセキュリティシステムにも応用できる」(同社)。


本体前部にWebカメラを搭載している

 実際の掃除は,本体下部には回転ブラシがあり,それがゴミをまきあげ,バキュームで吸い込んでいく。本体のボタンは「Start」「Pause」「Stop」の3つだけとシンプルだ。

 障害物は本体搭載のセンサーで避ける。お掃除ロボットでは,この障害物回避を赤外線や超音波などで行うのが一般的だが,このロボットでは同社が開発した独自センサーを搭載している。企業秘密ということで詳細は聞けなかったが,「機械的に感知している部分と,電子的なセンサーで感知している部分がある」(同社)。上下180度,水平360度の障害物を認識するという。


障害物をよけながら掃除する


動作の様子を動画で見る(mpeg1方式・約720Kバイト)

 掃除能力は,障害物がない場所で1時間あたり360平方メートル。家具など障害物があるところでは,1時間あたり90平方メートルになる。4時間の充電で,約1〜3時間の連続運転が可能だ。さらに「Webカメラ機能だけの使用なら,数日は動いている」(同社)。

 本国オーストラリアでは現状の仕様で10〜11月に発売,価格は1500ドルだという。日本仕様も同価格の予定なので,17万〜18万円と考えればよいだろう。掃除機としては高いが,松下電器が開発中のお掃除ロボットが40万〜50万円ぐらいになると言われていることを考えると,掃除ロボットとしては破格の値段だ。

 「現状で各社から発表・発売されている掃除ロボットは,システムが過剰だ。当社の掃除ロボットは,もっとシンプル」(同社)。

 このFloorBoticsという会社,日本市場への進出にかなり本気のようだ。ホームページも英語のほかに日本語版を用意しており,狭い日本家屋に合わせたシステム作りや,畳部屋にも対応したブラシも開発中だそうだ。

 同社では現在,国内代理店を募集している。日本での発売は,仕様変更など新たな開発期間も含めると来年以降になる予定だという。

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[西坂真人, ITmedia]

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