News | 2001年9月26日 11:35 PM 更新 |
9月26日,インテルの最新テクノロジを紹介する開発者向けの技術フォーラム「Intel Developer Forum 2001 Fall Japan」(IDF Japan)が開幕した。
毎回規模が大きくなっていたIDF Japanだが,今回は米国テロ騒動によって米本社の幹部が来日を見合わせたため,一部プログラムが変更されての開催となった。
初日の基調講演では,9月25日付けで米本社のCTO(最高技術責任者)に就任したPatrick.P.Gelsinger副社長が壇上に立つ予定だった。
だが,冒頭,挨拶に立ったジョン・アントン社長は,「“IDFの父”ともいうべきGelsingerをはじめ,本社から幹部が来日するはずだったが,テロ騒動による国内外の出張制限で来日できなくなった」と告げ,Gelsinger氏のコメントをビデオレターで紹介した。
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IDF基調講演で挨拶に立ったジョン・アントン社長 |
アントン社長に続いてスピーチを行ったのは,通信半導体営業本部長のラヴィ・アガルヴァル氏。同氏は「ワイヤレス社会の実現を加速するインテルのテクノロジ」と題し,ワイヤレス分野での同社の取り組みについて語った。
「ワイヤレスインターネットの成長には,急激に伸びているインターネットの成長速度に対応したハンドヘルド製品やアプリケーションの開発が必要」と述べた同氏は,新しいパラダイムを切り開く「インテルPCA(パーソナル・インターネット・クライアント・アーキテクチャ)」を提案。「新しいパラダイムによる新しい端末」の基盤技術として,低消費電力の「StrongARMプロセッサ」や,1セル当たり2ビットのデータを格納できる「StrataFlashメモリ」を紹介した。
今回のIDFでは,StrataFlashメモリの新製品「3Vシンクロナス インテル StrataFlashメモリ」が発表された。これは通常のフラッシュメモリより読み出し性能が4倍高速で,携帯電話やPDAなどのモバイル機器やSTB,各種通信機器での利用が期待されているという。(詳細記事)
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モバイル機器やSTB,通信機器での利用が期待されるStrataFlashメモリ |
次に,通信技術本部長の高橋恒雄氏が「低迷期を乗り越えた後の通信業界」と題してネットワーク分野での取り組みについて講演を行った。
高橋氏は,厳しい環境下にある通信業界を紹介し「売り上げが伸び悩んでいるのに通信量は爆発的に伸びている中で,考えなければならないのがコスト削減」と提言。資本コストや運用コストの削減は,通信関連企業にとって死活問題になると警告した。
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厳しい環境下にある通信業界 |
その上で同氏は,「イーサネット」「ネットワーク・プロセッシング」「光ネットワーキング」という3つのキーテクノロジーの活用がこの問題の解決には不可欠であると訴え,同社のIXP1200や第2世代IXA(インターネット・エクスチェンジ・アーキテクチャ)といったネットワークプロセッサ,ギガビットイーサネット,光ネットワーク技術を紹介した。
同社は,国内通信業界各社と協力して先進的なネットワーク機器の開発を行う「IXAコンピタンス・センタ」や,携帯電話やハンドヘルドデバイスの技術提案や検証を行う「ワイヤレス・コンピタンス・センタ」など,産学共同での「コンピタンス・センタ」を開設している。
高橋氏はこのコンピタンスセンタの最近の活動にも触れ,NTT東日本や日本HPと共同で行った「Bフレッツ100MbpsFTTH共同コンテンツ配信トライヤル」や,インテルPCAプラットフォームに関するテクノロジ企業との協業などを紹介した。
基調講演の最後には,e-マーケティング本部長のマイク・トレイナー氏が「進化するデジタル時代をになうプラットフォーム」と題してスピーチを行った。
トレーナー氏は「2000年問題」「ドットコムの崩壊」「低迷する経済」という“3つの重要な出来事”によってPC需要が冷え込んでいると分析しながら「買い控えは2002年になれば必ず回復する。欧米では不景気だが中国や南米には影響は見られない。またPCの20年の歴史では,大きな不況を何度も超えながら右肩上がりに成長している」と,PCの長期的な成長には,不況は影響しないことをアピールした。
しかし,一方でトレーナー氏は発明家チャールズ・ケタリングの“人が欲しいモノを作れば,ビジネスは自ずから回復する”という言葉を引用,「PCの成長には,わくわくする革新的な技術を提供してきたからだ」とPC業界の現状に警鐘を鳴らした。
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米IDFの本社幹部と同じくチャールズ・ケタリングの言葉を引用したトレーナー氏 |
さらに,「以前のPCの基準はクロック数(スピード)や価格ぐらいだったが,現在はそれに加えてスタイル,使いやすさ,信頼性,省電力などユーザーニーズが広がっている」と指摘。Intelとしても“1MHzでもいかに高速化するか”という開発スタイルから,“いかに優れたPCの使い心地を実現するか”という方向に変化していることを述べた。
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