News 2001年10月5日 11:37 PM 更新

トヨタとGM,テレマティクスサービスで協業

トヨタとGMが,車載端末向け情報配信サービスでタッグを組んだ。「この分野は動きが早い」(トヨタ)ためで,2002年6月をメドに国内でサービスを開始する予定だ。

 10月5日,トヨタ自動車と米General Motors(GE)が,日本市場におけるテレマティクスサービス(車載端末向け情報配信サービス)の共同研究を行うと発表した。2002年6月をメドに,共同でサービスを展開する考え。

 GMは,米国で「オンスター」と呼ばれるテレマティクス事業を展開。盗難・事故自動通報システム,ナビゲーション,ホテル・レストラン情報配信サービスなどを提供している。

 一方,トヨタは,2002年に「G-BOOK」というテレマティクスサービスを開始する計画を発表しており,今回の共同研究は,「G-BOOKのビジネススキームをベースに,国内に適したテレマティクスサービスを研究するのが目的」(トヨタの三吉暹副社長)。

 G-BOOKのコンセプトは,専用端末を使った情報配信サービス「GAZOO」(ガズー),ドライブ情報サービス「MONET」(モネット),ならびにカーナビゲーション技術を融合させた新しいネットワークサービスというもの。

 GMとの共同研究では,通信端末の共通化,ガズー端末の共同活用,トヨタが保有する地図などのデジタルコンテンツのGMへの有償供与,ならびに決済システムなどテレマティクスサービスで必要なインフラの共同活用の可能性について技術的な検証を行う。

 三吉副社長は,国内でのテレマティクス市場について,「先行している米国とは異なる」と説明する。「オンスターのように,国内でも“ヘルプデスク”という緊急通報サービスを提供しているが,現時点で加入者は約3700人にとどまっている」(同氏)。


トヨタの三吉副社長(右)とGEのHogan上席副社長

 また,GEのMark T. Hogan上席副社長は,「自動車のIT化は,大きな付加価値となっている」と将来性を強調した。

 なお三吉氏によれば,「既にテレマティクスサービスのイメージはできている。実際にモノもある」とのことで,10月24日に開幕する東京モーターショーでその展示が行われる予定だ。

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[中村琢磨, ITmedia]

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