News 2001年10月10日 07:16 PM 更新

Athlon XPの“モデルナンバー”はユーザーの指針となり得るのか(1)

クロック周波数神話からの脱却を図りたいAMDは,従来のクロック周波数での表記を止めて,実性能値を前面に押し出した“モデルナンバー”という新しい命名法をAthlon XPに採用した。さらに同社は,2002年までに新たな“性能指標”を打ち出そうとしている。

 日本AMDは10月10日,デスクトップ用新CPU「AMD Athlon XPプロセッサ」を国内で正式発表した(詳細は別記事)。

 Athlon XPでは,3DNow!プロフェッショナルテクノロジに対応し,さらに写真,ビデオ,音声編集などデジタルメディアアプリケーションにおける3D性能を拡張した52の新命令を新たに追加している。

 都内で行われたAthlon XP発表会には,AMD上席副社長のRob Herb氏が米国から駆けつけたほか,マイクロソフト製品マーケティング本部長の佐藤哲也氏も出席した。

 佐藤氏は「Windows XPはブロードバンド時代のウィンドウズ。ブロードバンド常時接続には高いレベルの電源管理や温度制御が必要だが,Athlon XPはこれらの条件を満たしている」と語り,Windows XPとAthlon XPとの親和性をアピールした。

 さらに「2つのXPを成功させよう」(日本AMD)と,日本AMDの堺社長とRob Herb氏,佐藤氏とが,“XPつながり”で固い握手を交わす場面も見られた。


“XPつながり”で固い握手を交わす堺社長(左),Rob Herb氏(中央),佐藤氏(右)

 新しいCPUの発表を受けて,各社からAthlon XPプロセッサ搭載PCが発売される。まず先陣を切って,Compaq Computer,Fujitsu-Siemens,NEC-CIから本日(米国時間10月9日)より出荷される予定。また,Hewlett-PackardやMicronPCも,同CPU搭載PCの投入を計画しているという。

 国内では,富士通,エプソンダイレクトといった大手メーカーのほか,Faith,フリーウェイ,Mouse Computer Japan,Frontier神代,DOS/Vパラダイス,パソコン工房,九十九電機,オーテックなどがショップブランドでAthlon XP搭載PCを発売していく。


発表会場では,Athlon XPに対応したマザーボードの展示も行われた

 今回の新CPUで最も特徴的なことは,従来のクロック周波数での表記を止めて,実性能値を前面に押し出した“モデルナンバー”という新しい命名法を採用していることだろう。Athlon XPでは,「1800+」(クロック周波数1.53GHz),「1700+」(同1.47GHz),「1600+」(同1.40GHz),「1500+」(同1.33GHz)の4種類がラインアップされている。

 同社はモデルナンバーについて「Athlon XPプロセッサ同士の相対的なアプリケーション性能を表すと同時に,既存のAthlonプロセッサに対するアーキテクチャ上の優位性を伝えるためのもの。モデルナンバーが高いほど,アプリケーション性能も高い」と説明する。

 以前同社は,Cyrix,IBM Microelectronics,SGS Thomsonらとともに「Pレーティング(Performance Rating)」というアプリケーションレベルの CPU ベンチマーク値を性能指標に使っていた時期があった(別記事を参照)。

 今回のモデルナンバーは,このPレーティングとどこが違うのか。

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