News 2001年10月12日 11:59 PM 更新

東京ゲームショウ,Xboxだけで1日かかります

何から何まで圧倒的だ。東京ゲームショウ史上最大というマイクロソフトブースには,148台の試遊台と100人のコンパニオンのお姉さんが待ちかまえている。一般初公開のXbox,ユーザーの反応はどうだろうか?

 圧倒的──。「2001東京ゲームショウ秋」のマイクロソフトブースを表現するとしたら,まさにこの言葉が最適だろう。なにしろ,ブースの全長は57メートル。コマ数だと,157コマ分になる。これは,「東京ゲームショウ過去最大」(同社)とのことだ。もちろん,マイクロソフトにしてみれば,「Xboxの性能も圧倒的だ」と付け加えたいところだろう。


緑一色のブース内に,「マイクロソフト」の文字はほとんど見られない。ほんの少し,オリジナルタイトルのポスターに記されているくらいで,全面的に「Xbox」が押し出されている


平日にも関わらず,多くの来場者が順番待ちに列をなしていた。土日はおそろしく混雑しそうだ

 今回,一般には初めて,Xboxがプレイ可能な状態で展示されている。試遊台の数は148台に上り,ブース内はかなりの密度だ。会場を全部回ってみても,これほど充実した内容のブースはほかに見当たらない。全部のタイトルをプレイしたら,マイクロソフトブースだけで1日かかってしまいそうだ。

 優れたグラフィック性能をアピールするデモンストレーションや参考出品ばかりだった春の東京ゲームショウに比べると,見事に,ゲームメーカーに“変身”した感のあるマイクロソフト。一方で,一般ユーザーにもゲーム画面の写真撮影やビデオ録画を許可しており,体質まではゲーム業界に染まりきっていないようだ。

グラフィック性能のインフレ?

 実際にXboxを体験したユーザーの反応はどうだろうか。プレイ後の来場者に感想を聞いてみた。

 マイクロソフトブースでプレイできるのは,サードパーティタイトルが「エアフォースデルタII」「サイレントヒル2 最期の詩」「デッド オア アライブ3」「セガジーティー2002」など。マイクロソフトオリジナルタイトルとしては,「ねずみくす」「格闘超人」などがある。いずれも,開発中のものだ(完成度は20%〜80%までさまざま)。

 「会社を休んで愛知から来ました。ゲームコンソールは4台持ってます」という20代後半の男性は,デッド オア アライブ3について,「完成度は70%ということだけど,十分楽しめました。特に,コントローラーが使いやすかった。ドリキャスのコントローラーに似てなくもないけど,こっちのほうが全然使いやすい」とコメント。

 「ただね」とこの男性は付け加える。「GAME CUBEもそうなんだけど,プレイステーション2と比べて,劇的な進歩があったような気がしない。でも,Xboxは買うと思うけど」。

 また,茨城県・水戸市から,こちらも会社を休んでやって来たという男性は,Xboxについて「確かにキレイだけど,グラフィックのインフレですよね。みんな凄くなりすぎちゃって,ありがたみが分かりにくくなってる」と持論を展開。


Xboxのゲームでは,「カプコンに期待します! それとネットワークゲームも早く見たい」

 では,Xboxは買わないのだろうか? 「うーん。多分買うと思うけど,2月22日に飛びつくことはないかな。ちょっとソフトの様子をみてからにします」とのこと。言い忘れたが,この男性も「ゲーム機は数え切れないくらい持っている」という強者だった。

Xboxのイメージキャラは?

 続いては,“一般的な”ユーザーにも話を聞いてみた。

 「プライベートではゲームはしない。ゲーム機も持ってない」という某ゲームメーカーの女性は,「Xboxも買わない」と素っ気ない返事。とにかく,その理由を聞いてみると,「デカいからやだ。どうせ買うなら,Cubeのほうが可愛くていい」とのこと。女性ならではの意見として覚えておこう……。

 ほかにも何人か話を聞いたのだが,ゲームのヘビーユーザーは概ねXboxに好意的だった。実際,購入を検討している人もかなりいる。一方,女性はというと,「マリオみたいなかわいいキャラクターがほしい」などの声も多かった。女性を狙うなら,Xboxにも,プレイステーション2で言うところの「トロちゃん」のようなキャラが必要になりそうだ。

 もっとも,当のマイクロソフトには,その気はあまりなさそうだ。

 マイクロソフトブースには,Xboxのロゴが入った鉄球のようなものを,苦しそうに背負っている謎の石像がある(写真)のだが,その意味をマイクロソフトに尋ねたら,これは「Xポット」という名前で,今回のゲームショウのイメージキャラクターとして特別に制作されたものだという。


それにしても,拷問を受けているようにしか見えないのだが……

 そういえば,「CES」でBill Gates会長がXboxのデザインを発表したときも,Xboxの力強さを示すために,プロレスラーのThe Rockが登場した。やはりXboxは,“男のマシン”ということか。

100人でお見送り

 ところで,ブース内を取材していたときから気になっていたのだが,コンパニオンのお姉さんがたくさんいるのだ。ゲームショウだから当たり前という意見もあるかもしれないが,それにしても多いのだ。

 Xboxの話を聞くついでに(あくまについでにである),マイクロソフトの担当者にそれとなく尋ねてみると,なんと全部で100人もいるという。道理で,「サイレントヒル2 最期の詩」をプレイ中に操作がほとんど分からず悩んでいたら,お姉さんがすぐ飛んできて操作方法を教えてくれたわけだ。ほかのメーカーだったら,こうはいかない。


閉場間際に,100名のお姉さんが整列してお見送りの図。うーん壮観だ。「金かかってるな〜」とはマイクロソフト関係者の談


マイクロソフトブースでは,5.1chサラウンド環境でゲームを体験できるスペースもある。ここは,エアフォースデルタIIのコーナーだが,操作が分からない場合は,もちろんお姉さんが教えてくれる


Xboxブースにいるお姉さんは,サービス精神も満点だ。写真撮影をお願いすると,何もいっていないのにこのポーズ。「本業はレースクイーン」というだけに,プロ根性といったところか

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[中村琢磨, ITmedia]

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