News | 2001年11月2日 11:55 PM 更新 |
先週からマイクロソフトの新型マウスが発売され,人気を呼んでいるようだ。マウスはとても小さな,しかしGUIを使う我々にとっては非常に重要なデバイスである。コイツの動き次第で,PCの使い勝手は大きく変わってくる。
そんなマウスに小さな革命が起きたのは1999年のこと。4月に行われたCOMDEX/Springの基調講演でビル・ゲイツ氏が紹介したIntelliMouse Explorerは,銀色ボディのサイバーな見かけもさることながら,光学センサーによるボール滑り,クリーニングの両方からおさらばできる画期的なマウスだった。これはその年の秋に発売され,大変な人気を呼んだ。
しかし,そんな光学センサーマウスも発売から数年を経て,少しづつユーザーからの不満も出てきている。そんな不満に対応すべく登場したのがマイクロソフトの新型マウスであり,そしてロジクールのMouseMan Optical Dual Sensorだ。
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MouseMan Optical Dual Sensor |
光学式マウスは猛烈な速度でマウス底面から見えるモノのテクスチャをスキャンし,そのテクスチャが移動する方向や距離を検出することで,マウスの動いた方向と速度を検知している。
したがって,平滑度が高く,模様が全くない面では動きをきちんと検出できない場合がある。たとえばガラスや真っ黒なツヤありの机の上などである。
しかし,それ以外に平滑度の高い木目模様の机面でも,同様にうまく動かない場合がある。似たようなテクスチャが細かく詰まっているため,正しくテクスチャの変化を判別できなくなるからである。デコボコがあれば,その影もスキャンするためきちんと動作するのだが,平滑度が高いとデコボコによるテクスチャの変化が期待できない。
では,そんなところで使わなければいいという話になる。確かにその通りなのだが,きちんと動いているようで,実は少しづつスリップしているといったことがある。そんな場合は,なんとなく使いづらく感じているものの,ハッキリと悪いとまでは判断できない,非常に気持ちの悪い状況に陥っているものだ。
そう書いている筆者自身,光学センサーマウスさえあれば,別に少々高性能になったからって,どっちでもいい。もう十分高性能じゃないかと思っていたクチである。しかし,新製品を使ってみると,これがなかなか。動きのキレが全く違うのである。
ちなみに初期の光学式マウスに搭載されていたセンサーは,すべてHewlett-Packard製で,毎秒1500回のスキャンを繰り返しながら動き検出を行うというものだった。後にこのセンサーは毎秒2000スキャンまで性能アップしたが,これはまぁ,気持ち程度の差でしかないと思う。実際,両方の製品を使っていたが,スキャン回数の違いは後から気付いたほどだ
そんな中,マイクロソフトが発表したのが,毎秒6000スキャンの新型IntelliMouse Explorerだ。しかも,ワイヤレスとワイヤードの両方がラインナップされている。手元にはワイヤードの方しかないのだが,その違いは明らか。追従性が全く違うのだ。
特に素早くマウスを動かしたとき,従来のセンサーでは思ったほど遠くまでマウスカーソルが動かないという現象が起きる。スキャンレートが低いセンサーで,その能力を超えて素早く動かすと,スキャンしているエリアを越えて動いてしまうため動き検出を行えないためである。
もし,通常の光学式マウスをお持ちならば,平らな机の上で「オリャ!」と思い切り大きく動かしてみるといい。思い切りマウスカーソルが動くと思いきや,ほとんどマウスカーソルの位置が変わらないことがある。
しかし,毎秒6000スキャンの新型センサーであれば,どんなに素早く動かしても大丈夫だ。日常的には考えられないような速度で動かしても,きちんと追従してくれる。旧型センサーはHewlett-Packardから分割されたAgilent Technologyが販売と開発を継続しているが,この新型センサーは新生Hewlett-Packard製とのこと。なかなかの操作性である。ただし,ガラス面を読みとれない点とツルツルの木目面などで動作がおかしいといった点は変わらない。
光学センサーマウスと言えば,マイクロソフトと並んで評価が高いロジクールを思い浮かべる人もいることだろう。そのロジクールがマイクロソフトの毎秒6000スキャンを達成した新型センサーに対抗して発売するのが,センサーを2個搭載したMouseMan Optical Dual Sensorだ。
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ロジクールから発売されたオプティカルマウス2種類 |