News 2001年11月2日 11:55 PM 更新

ダブルセンサーマウスと小型マウスで年末商戦に挑むロジクール(2)

異なる2カ所を読みとることで誤差を最小限に

 MouseMan Optical Dual SensorはAgilent製のセンサーを採用しており,スキャン回数は毎秒2000スキャンとマイクロソフト製マウスの1/3に留まる。しかし,ロジクールでは無駄にスキャン回数を増やすよりも,より精度の高い動き検出を行える方が正しいとの考えから,ひとつのマウスに2個のセンサーを取り付けた。それが,今回の新製品である。


MouseMan Optical Dual Sensorの底面

 では2個のセンサーで何をやっているのか? 1個のセンサーで動き検出を行う場合,読みとったテクスチャの状況次第で,本来とは異なる方向に移動したと判断してしまうことがある。移動したと思われる位置の候補がいくつかある場合,そのどちらかを周辺の情報から選ぶわけだが,正しい候補を選ぶためには情報が多い方がいい。

 2個のセンサーが異なる場所をスキャンすれば,互いの情報を照らし合わせながら,いくつかの正しいと思われる位置候補から正しいものを選ぶ確率が格段に上昇するのである。

 たとえばツルツル表面に木目プリントの机の上などでは,毎秒6000スキャンのマイクロソフト製マウスよりもずっと追従性がいい。素早く動かした時の読み取りミスは,さすがに多少劣るのだが,スキャン性能の範囲内であれば,MouseMan Optical Dual Sensorの方が手の動きに対してリニアに反応する感じなのだ。

 どちらが好みなのかと言われると,ワイヤレスではないIntelliMouse Explorer 3.0との比較では甲乙付けがたい。マウスカーソルの追従性という意味では,どちらも一長一短だ。

 MouseMan Optical Dual Sensorの方がきめ細かな操作には向いているが,素早い動きへの追随はIntelliMouse Explorerの方が良い。追従性だけでは判定を下すのはとても難しいように思う。

 ただし,Wireless IntelliMouse Explorerとの比較では,圧倒的にMouseMan Optical Dual Sensorの方がいい。たしかにワイヤレスであることのメリットはあるが,一方でマウス本体に手の平を乗せなければパワーマネージメントから復帰しない,動き始めに一瞬反応が悪いことがある,分解能がワイヤードの製品よりも低いように感じる(非公開。ワイヤードタイプはロジテックもマイクロソフトも800dpiの分解能がある)などのデメリットがある。もしIntelliMouse Explorerを購入するのであれば,ワイヤードの通常タイプの方がお勧めだ。

 むしろ比較するならば,どれだけ手に馴染むかを実際にさわって決めるのがいいと思う。ワイヤード製品同士の比較ならば,どちらも追従性に大きな差はない。ボタン数(ロジテックの方が1個少ない)や手のひらへのフィット感などの好みで選ぶことを勧める。

 なお,新製品のMouseMan Optical Dual Sensorは,取材時点では価格がまだハッキリと決まっていないとのことだったが,従来型のMouseMan Wheel Opticalとほぼ同じ価格になるとのこと。

実はこちらが本命!?デザインも優れた小型マウス

 MouseMan Optical Dual Sensorのようなハイエンドの性能を持つわけではないが,個人的に気に入ったのが,MouseMan Mobileだ。MouseMan Mobileは毎秒2000スキャンの光学センサーを備える800dpi,3ボタンのホイール付き小型マウス。革製ソフトケースが付属し,ノートPCと共に利用するため細く短いマウスコードが採用されているのが特徴。別途1メートルのマウスコード延長ケーブルも添付されている。


スタイリッシュなMouseMan Mobile

 小型のマウスは数あるが,何よりMouseMan Mobileはデザインが面白い。一見,ボタンが付いていないように見えるボディは,上面のステンレスがすべてボタン用のバネになっており,ホイール脇の部分を押し込むとスイッチをクリックできるようになっている。オマケっぽく見えるホイール機能も,細いことは確かだが動きの質感も悪くない。

 出張時以外はあまりマウスを持ち歩かない主義だったが,これならばちょっとした仕事を長時間こなすために外出する場合など,出先へと向かう鞄の中に忍ばせてもいいかな?と思う。色はシルバーの他,ブルー,バイオレット,グリーンの4色。さすがに手のひらへのフィット感はこのサイズでは得られないが,持ち歩きにも便利な小型マウスを探している人はお試しを。

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[本田雅一, ITmedia]