News 2001年11月8日 11:56 PM 更新

「isamu」,大地に起つ!――150cmの人型ロボット

逆三角形で薄いボディ。こんな個性的な形をした人型ロボット「isamu」が,遂に歩いた。Pentium III/1GHz×2とRT-Linuxを搭載するisamuのパフォーマンスは?

 身長150センチ,体重55キロ。時速約2キロで歩行し,25センチの段差も越えられる――。今年7月に発表された人間型ロボット「isamu(イサム)」が,3カ月間の沈黙を破って,ついに報道関係者の前にその姿を現した。


いよいよisamuの全貌が明らかに

 栃木県・芳賀郡にある川田工業航空・機械事業部のヘリコプター整備場。沖縄県警のヘリコプターなどが置かれたその横で,isamuのデモンストレーションは行われた。当然,ソニーやホンダの発表会のような派手な演出はないが,殺伐とした整備場の雰囲気にisamuは溶け込んでおり,ロボット工場に来たのかと錯覚してしまうほど。“処女歩行”としては最高の舞台だった。


デモンストレーションを前にたたずむisamu。横から見ると以外に“薄い”(痩せている?)ことに気が付く。全幅は604ミリあるのだが,脚と手が細いのでそう見える

 isamuの実力については,ムービーを見たほうが話が早い。まずは前進→90度右旋回→前進→90度左旋回→後進(mpeg1形式・約740Kバイト)から。続いて,後進→斜め左前進(mpeg1形式・約740Kバイト)。最後に,両手を挙げて挨拶(mpeg1形式・約468Kバイト)となる。

 今回披露されたデモンストレーションは,ジョイスティックを利用してisamuをコントロールするというもの。電源は外部の鉛電池を使用している。川田工業によれば,isamuはバッテリーを内蔵しているものの,「現状では7分間しか駆動できない」とのことだった。

 実に,スムーズな動きを見せたisamu。逆三角形のボディは,一見,バランスが悪そうだがなかなか安定している。少年をイメージしたという名称と(isamuの正式名称は,Integrated System of Advanced Motion-control Units),「天空の城ラピュタ」に登場するロボット兵士にのような個性的なデザインからは想像できないほど,堅実な動作である。ある担当者は「奇抜なことをしないのが弊社の社風」と説明していた。

 ただ,その一方で,isamuは今回,強烈な印象を残したわけでもなかった。というのも,isamuの真骨頂である時速2キロ歩行と,25センチ段差越えのデモンストレーションは見ることができなかったからだ。

 isamuの最大の特徴は,足にも自由度がある点。足が「つま先」と「かかと」に分割されていて,ベタ足ではなく,踏み込むかんじで歩くことができる。川田工業でisamuプロジェクトのリーダーを務める五十棲隆勝氏は,「つま先のあるロボットは,おそらくisamuが初めてだろう」と胸を張るのだが,せっかくのお披露目の席,なんとかデモをしてもらいたかった。


isamuは,頭部に2眼ステレオカメラを搭載。人物判別の機能も備えるが,こちらのデモンストレーションもなし


isamuの頭脳は,Pentium III/1GHzのデュアル。正確には,頭脳ではなく心臓部分にPCが入っている。わき腹のあたりには通気穴も見える。isamuの動作音よりも,ファンの回る音のほうが大きかったような……。「熱処理には苦労した」(川田工業)とか。また,IEEE 1394の白いケーブルは頭部につながっている。画像処理をPCで行っているようだ。OSにはRT-Linuxを使用

 五十棲氏は,isamuプロジェクトの今後の展開について,「航空機の研究開発の過程で得られるメカトロニクス技術を応用し,機械システムと人間が協調して作業できるモーション・コントロール技術の開発に取り組む。isamuは,そのテストベッドに使う」と話す。鉄構・橋りょうの企業だからこそ開発できるロボット――isamuは,人間の形をした作業用ロボットの原型になるかもしれない。


isamuと記念写真を撮る報道関係者も。また,デモ会場にはインテルの広報関係者の姿があった。「個人的にはロボットに興味はない」とのことだが,その実,興味深そうにisamuを見つめていた。インテルから“ヒューマノイドロボット用プロセッサ”などが登場するのもそう遠くないかも?


報道陣には,isamuの名刺が配られた。メールアドレスも記されている。一体,誰に届くのだろうか?

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▼ isamuホームページ

[中村琢磨, ITmedia]

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