News 2001年11月13日 11:55 PM 更新

松下も娯楽ロボット開発! バンダイはドラえもん?――2001国際ロボット展(1)

国際ロボット展の会場には,バラエティ豊かなロボットたちが並んでいる。堅いモノから,笑えるモノまで,たっぷりと堪能してきた。いや,レポートしよう。

 東京ビッグサイトで開幕した「2001 国際ロボット展」。製造業ロボット(システム)がメインの展示会ではあるが,「ロボットテクノプラザ」ならびに「エンターテイメントロボットゾーン」には,研究開発中の数々のエンターテインメントロボットが並んでいた。

ホームサーバ機能付きロボット?

 高齢者向けの対話型ペットロボットを試験運用中の松下電器産業。ソニーの「AIBO」追撃に向け,いよいよエンターテインメントロボット市場に参入だ。といっても今回はペットロボットではない。ガラスケースに包まれていた「Interface Robot」は,“ライフインフォメーションパートナー”を目指したものだという。


NECの「PaPeRo」に似ている気もするが,担当者は「玩具っぽくならないよう,質感を出すことに努力した。家電にフィットするデザイン」とアピールする。背中のランドセルにPCを積んでいる

 Interface Robotは,デザインモックアップの段階。年内にはワーキングモデルも登場する予定だが,松下電器 総合デザインセンターの石原祐一氏は「ホームサーバのような機能を載せるつもり」と計画を明かす。Interface Robotの名の通り,ネット家電やAV機器をコントロールための,インタフェースになるというのだ。

 例えば,Interface Robotにテレビ番組を録画するよう命令する。このロボットは,ホームネットワークの家電を集中管理しており,無線でハードディスクレコーダーを操作することができる──こんなことも可能になるかもしれないという。

 また,Interface Robotは単体でも,エンターテインメントロボットとして機能する。頭部,両腕にセンサーを装備し,触られると怒ったり喜んだりするほか,お腹の液晶ディスプレイには,感情がビジュアルで表現されるという。「SDカードを差し込むと,お腹がいっぱいになる機能など,人間とコミュニケーションできる機能を考えている。どうやって“ココロ”を表現するのかが課題」(同氏)。

ガンタンクか? それとも……

 来年2月にザクのラジコンを買おうと思っていた人は,再検討が必要かもしれない。実は,バンダイは“ガンタンクらしき”ロボットを開発していたのだ。

 バンダイのブースで,ワンダーボーグシリーズの1つとして参考出品されていたのは,Webサーバ機能を実装した「ネットボーグ」(NET-BORG)。無線LANを使ってインターネットに接続でき,頭部にはWebカメラを装備する。Webブラウザでリアルタイムに動画を受信したり,遠隔操作で写真を撮影したりできる。


キャタピラで移動するネットボーグ。なかなかのスピードだ。全長は40センチ。どうみてもそのデザインはガンタンク?

 「自宅から,ネットボーグを遠隔操作してテーマパークを見て回ったり,ミニチュアの街をネットボーグでバーチャル探検したり,いろいろなイベントが提案できるだろう」(バンダイ戦略開発室の藤田雅之氏)。

 藤田氏によれば,キャタピラを装備したのは,「環境を限定しないで走行できるようにするため」。特に,ガンタンクを意識したわけではないようだが,「社内でもガンタンクみたいと言われている。今回のデザインはとりあえず作ったもの。本決まりではない」と何かを匂わす……。


ネットボーグの操作画面。上下左右ボタンで向きを決める。現状ではカメラの向きはコントロールできなかった

 なお藤田氏によれば,ネットボーグをコンシューマー向けに販売することも考えられている。スケジュール的には,「1〜2年以内にはできれば」とのこと。「このまま製品化するかは分からないが,ガンタンクにするならするで,簡単にできる。ザクは,2足歩行を実現するのに苦労したけれども(笑)。価格は,10万円を切りたい」(同氏)。


実は,後ろから見ると思いっきりドラえもんだったりする

 ネットボーグのスペックは以下の通り。

モデル ネットボーグ
サイズ 280(幅)×260(奥行き)×410(高さ)
重量 約4キロ(オプションバッテリー装備時は6キロ)
連続駆動時間 約1.5時間(オプションバッテリー装備時は6時間)
無線方式 IEEE 802.11b準拠(到達距離は30〜60メートル)
カメラ部 フォーカス:1メートル〜無限
レンズ:F1.8
露光制御:オート
画像解像度:640×480/320×240/160×120
フレームレート:15fps

「押してみろ」と挑発する人間型ロボット

 ダイヘンの人間型ロボット「RB007」は,頭部にカメラを装備し,人が近づいてきたことを認識すると,握手を求めたり,「手を押してみてください」と挑んでくる不思議なロボットだ。

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