News | 2001年11月13日 11:55 PM 更新 |
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ダイヘンの「RB007」。2足歩行ロボットではない。支柱に支えられている。気になる蝶ネクタイの理由は,後ほど…… |
ダイヘン 先端ロボティクスグループの柳川剛三氏は,RB007の特徴は「センサーがなくても,コミュニケーションできること」と説明する。オムロンのペットロボット「ネコロ」は,高度なセンサー技術によるコミュニケーション能力をアピールしていたが,「センサーがない」とは? その秘密は,RB007に使われているダイヘンのサーボシステム「RINGSERVO」にある。
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「押してみろ」と挑むRB007と,怪訝な顔つきの来場者。それもしょうがない |
RINGSERVOは,サーボモータを制御するためのシステム。センサーの代わりに,同システムが速度情報や力情報を取得し,それに応じた動きをフィードバックすることができる。特徴は,位置・速度・力という3つの要素を,同時並行で切り替えさせて動作する点だ。例えば,RB007の手を押すと,RINGSERVOが入力を感知し,力比べを挑んでくる。そこで,力いっぱい押し返してやると,今度はRB007の押し返す力が弱まり,「いたたたた」と悲鳴をあげる。「人間と協調して自立的に動作するシステムに最適だろう」と柳川氏。
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上腕部にRINGSERVOを装備。ここで入力を検知している。また,センサーを装備しないため,システム自体がコンパクトになるほか,製品開発にかかるコストも削減できるという |
ところで,RB007が身に付けていた謎の蝶ネクタイの理由はというと,実はこの日,会場ではロボットによる“演奏会”が行われたのだ。
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演奏会の様子。RB007も手を振っている |
演奏会の内容は,MIDI楽器の演奏にあわせて,ロボットたちが踊り,パフォーマンスを披露するというもの。参加ロボットは,タカラの「スーパーロボット ドリームフォース01」から,富士通の「ハローキティのパソコンフレンズ」まで,多種多様なラインアップだ。
MIDI楽器とロボットたちは,PCを介してUSBでつながれている。マクロメディアの「Director」に独自開発のライブラリを追加し,MIDI入力データに応じて,ロボットのパフォーマンスをコントロールできるようにした。それぞれのロボットはデータ入力用の専用モジュールを内部/外部に持ち,PCからの命令を受け付けるようになっている。
演奏会を“主催”したのは,「RoboLink」という団体。RoboLinkは,ロボット技術者が将来のビジョンについて語り合うために設立された「エンタテイメントロボットフォーラム」(ERF)のワーキンググループとして,今年4月に組織された。2001年10月時点で,イワヤ,タカラ,ダイヘン,トミー,松下電器産業,富士通大分ソフトウェアライブラリ,富士通研究所などが参加している。
富士通研究所の安川祐介主任研究員は,ロボット演奏会について,「これはまだ序の口。無線にもなっていない。将来的には,ロボットたちがメーカー,機能,値段に関係なく,協調して動くようにしたい」と強調する。
「例えば,知覚を持つロボットが,冷蔵庫のドアが開きっぱなしになっていることに気が付くと,動力を持つロボットに指示を出して,ドアを閉めさせるなど,いろいろなアイデアがある。単機能のロボットが力を合わせて,汎用ロボットになる仕組みや,ロボット,PC,携帯,家電が有機的につながる世界というもの面白い。RoboLinkでは,そういった仕組みや仕掛けを考えていく」(同氏)。
まさに,「トイ・ストーリー」の世界だ。RoboLinkのイメージビデオも,まさに“トイ・ストーリー調”。ロボット技術者たちの夢が詰まっている。容量は,低解像度のもので18Mバイト,高解像度のものは36Mバイトと巨大だが,“実写版トイ・ストーリー”だと思えば,見ておいて損はない。
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