News 2001年12月31日 02:33 AM 更新

「ないものはないし」──2ちゃんねる管理人・ひろゆき氏が語る“ログ提出拒否”の真意(1)

「だってログ取ってないし,取る理由もないし」──2ちゃんねるを舞台にした不正アクセス事件に絡む“ログ提出拒否”騒動。ひろゆきさん,ホントのトコはどうよ?

 掲示板サイト「2ちゃんねる」に掲載された「Yahoo!オークション」のIDとパスワードを使い,不正に同オークションにアクセスしたとして,これまでに計12人が逮捕された事件。警察はハイテク関連犯罪としては珍しい3本部(警視庁,茨城,愛知)合同の捜査本部を設置して捜査を展開している。

 捜査本部は12月21日,裏付けに必要なアクセスログを,2ちゃんねる管理人のひろゆき氏に対し任意で提出するよう求めた。だがひろゆき氏はこれを拒否。大手メディアにも大きく取り上げられ,2ちゃんねるでは「ひろゆき,公務執行妨害でタイーホ(逮捕)か!?」と議論が沸騰した。

 ひろゆき氏の本心は?──「2ちゃんねるが競売に」「田代まさし容疑者をTIME『THE PERSON OF THE YEAR』に」。今年も壮大な一発ギャグで話題を振りまき続けた巨大掲示板の管理人に“本当のところ”を聞いた。(聞き手:中川純一,小林伸也。2ちゃんねる削除人・I氏も同席)


2001年,話題を振りまきつづけた2チャンネルの管理人,ひろゆき氏

「できるだけコストをかけない。人生と同じ」

ZDNet:“ログ提出拒否”の真相は。

ひろゆき:ログを提出しろって言っても,単純にないものはないんですよね。あれば出すけど,ないんだからしょうがない。でも警察は“警察の立場”できちゃってるから,メンツかかっちゃってんですよ。ラチがあかなくなっちゃうんで,「じゃあ判断できない状況にしてあげよう」と。

 “ひろゆきは出てっちゃいました”ってことになれば,(警察の)上の人だってどうしようもないじゃないですか。

削除人I氏:ホントにログとってないの?

ひろゆき:Apacheの段階で取ってないから,そもそもないよ。ログのディレクトリ自体が存在しない(笑)。

 何らかの犯罪が継続的に行われているのが分かれば,ワナ張って取るってこともできるけれど。

ZDNet:やっぱり商用サイトにする気はないと。

ひろゆき:というか,IP取ったら商用サイトになるとは思わないですね(笑)。

 売り物が何かって話になるじゃないですか。2ちゃんねるの売り物は情報で,さらにランニングコストを下げなければならないと。情報を書き込む側からすると,ログ取られてると書きにくくなるし,ログの管理コストも発生する。

 つまりログがないほうが商品(情報)も集まりやすいし,コストもかからない。ログを取る理由がそもそもないでしょ(笑)。不況のうちはコストを下げて,やっていければいいやと。できるだけコストをかけない。自分の人生と似たようなもん(爆笑)。

5人あぼーんしました(ニヤリ

ZDNet:とはいえ,2ちゃんねるがブレイクするにつれ,警察もマークするようになる。

ひろゆき:だから今回の提出拒否は,“力加減”のテストでもあったんですよ。警察は強制捜査をしようと思えばできたはずだし。

 ただ強制捜査をした場合のメリットとデメリットを警察なりに考えた上でああなったと思うんですよ。

 実は8月ころから警視庁ともめてる件がありまして。掲示板上に他人の電話番号を載せて,“レイプする”とか何とか書いても今の法律では取り締まりようがないんですよ。それを何とかしてほしいと。

 今2ちゃんねるで,電話番号っぽい数字を書き込むと記録するってシステムが入ってるんですよ。それで今のところ5人通報してます。

削除人I氏:え,通報してるの!?

ひろゆき:通報してるよ。知らなかったの?(爆笑)。最初システム入れた時にずらずらーって5人引っかかって,それで通報した(笑)。

(注)あぼーん2ちゃんねるでは,掲示板上で他人の電話番号を書いたり,実名で中傷したりした場合,削除人によってそのレスが削除されることがある。その際,代わりに名前,投稿日,本文にすべて“あぼーん”という文字が入ったレス(?)が痕跡として残る。

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