News 2002年1月8日 07:49 PM 更新

目の錯覚? 何かが違った新型iMac

新型iMacの製品発表会が,国内でも開催された。個性的なデザインは“鏡もち”“電気スタンド”と早くも話題沸騰だが,新型iMacには,写真だけでは分からない大きな秘密があった……。

 「Macworld San Francisco」のニュースは見ていなかった。TIME誌(カナダ版)のおかげで,新型iMacのデザインは掴んでいたが,詳細な内容は,1月8日のアップルコンピュータによる記者会見までとっておきたいと考えていたのだ。3年ぶりのフルモデルチェンジである。せっかくだから,感動してみたいではないか(ニュースをチェックしていないのは,昨晩,眠気に勝てずに寝てしまったわけではない)。

 いざ,記者会見。 新型iMacのお披露目だ。デザインは,やはりTIME誌に掲載された通り。だが,何かが違う。何か違和感を覚える。そう,明らかに“デカイ”のだ──。


ベース部分の直径は27センチ。高さは,液晶ディスプレイ込みで,32.9センチ(最小値,カタログスペック)となっているが,ベース部分だけで15〜16センチはありそう。だが,一体型のメリットでフットプリントは省スペース型PCに勝る

 明らかに,“鏡もち”,もとい,ベース部分が デカイ。女性受けしそうな可愛らしいデザインとは裏腹に,なかなかの巨体である。TIME誌に掲載されたSteve Jobs氏とのツーショットでは,全く気にならなかったが,鏡もちが異様な存在感を誇っている。

 このときの衝撃は,写真では小学生ぐらいだと思っていた少年が,実際に会ってみたら,身長180センチで4頭身の成人男性だったようなものとでも説明すればいいのだろうか。

 そういえば,iBook発表の際も,Jobs氏は軽々と持ち上げて,ライトウェイトな雰囲気を醸し出していたが,今回もまた,見事に“はめられた”ということのようだ。

 そもそも,新型iMacの液晶ディスプレイは15インチ。そこから考えても,“鏡もち”がコンパクトになるわけがない。ディスプレイをぐりぐり動かしても,安定しているためには,それなりのボリュームが必要になるのだろう。


液晶ディスプレイの解像度は1024×768ピクセル。視野角は水平120度/垂直90度。輝度は200カンデラ,コントラスト比は300:1となる。このアングルからだと,鏡もちが小さく見える。ちなみに,液晶ディスプレイのクリアカバーは,ディスプレイを動かす際のつまみ代わりだという

 また,記者会見でアップルコンピュータの原田永幸社長が「電源はベース部分に格納されている」と説明したとき,“Cubeの電源は湯たんぽ事件”の教訓によるものかと勘ぐったが,なるほど,鏡もちの安定感を増すための工夫ということのようだ(この日,記者が“隠し電源”を見つけようと企んでいたことは内緒である)。


Jobs氏が誇るだけあって,液晶ディスプレイは確かに薄い。アームとベース部分の結合部周辺に見えるのはファンの通気口。記者会見場がざわついていたため静粛性はよく分からなかったが,アップルによれば「25デシベル以下」とのこと


ポート類は背面に集約されている。具体的には,IEEE 1394×2,USB×3,10/100BASE-TXポート,電源ポート,ミニVGA出力ポート,ヘッドホンジャックなど

 本当なら,新型iMacをいじくって,底面からアクセス可能なAir Macスロットやメモリスロットを確かめて見たかったのだが(底面のスロットカバーには,ネジがなくならないギミックがあるそうだ),「機材と時間に制限がある」(アップル広報)との事情により,撮影に与えられた時間はわずか3分。新型iMacに手を触れることすらままならなかった。非常に残念である。

 さて,新型iMacについて,“デカイ”だの“鏡もち”だのさんざん書いてきたが,個人的には,この“雪見だいふく”を非常に気に入っている。何しろ,早速,アップルストアのWebサイトで購入を検討しているほどだ。以前,生産中止になった「G4 Cube」を買おうとしたこともあったが,思いとどまって本当に良かったと思っている。

 デザインについては賛否両論あるようだが,Power PC G4/700MHz,CD-RWドライブ,15型液晶ディスプレイといったスペックで15万9800円は十分に魅力的だ。もしかしたら,初代iMacのように,爆発的なヒットを記録するかもしれない。そうしたらきっと,あのメーカーが黙っていないだろう……。

 なお,アップルによれば新型iMacは本日より,有楽町ビックカメラなどの店頭で展示されているとのこと。「本当にそんなにデカイのか?」と疑問の人は,今すぐビックカメラに急ぐべし。

関連リンク
▼ アップルコンピュータ
▼ アップルストア

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[中村琢磨, ITmedia]

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