News 2002年1月30日 10:15 PM 更新

画素をまとめて高感度に――第3世代スーパーCCDハニカムを搭載した新FinePix(2)

 この高感度を生かすために,高速シャッター/連続撮影機能も強化されている。最高解像度(2832×2128ピクセル)が0.2秒間隔で最大4コマまで撮影できる「6メガ高速連写」のほか,1メガモードでは,0.6秒間隔で最大40コマまで撮影可能だ。

 第3世代スーパーCCDハニカムでは,動画性能も大きく向上している。CCD内水平/垂直混合技術により,VGA(640×480ピクセル)サイズで毎秒15フレームのフルフレーム動画撮影を可能にした。このサイズで最長約3分の音声付き動画が撮影できる。

 「従来の動画といえばQVGAサイズ程度がほとんどで,VGAサイズで毎秒15フレーム撮影は不可能だったが,第3世代スーパーCCDハニカムによって実現できた。動画の1コマ1コマが静止画としても通用する高画質な画像となっている」(同社)。

 FinePix F601の主な仕様は以下の通り。

製品名 FinePix F601
撮像素子 有効310万画素1/1.7型スーパーCCDハニカム(原色フィルター採用)
記録画素数 2832×2128/2048×1536/1280×960/640×480ピクセル
記録方式 JPEG(DCF/DPOF対応)
レンズ 光学式3倍ズームレンズ(35mmカメラ換算で36〜108ミリ相当),F2.8〜12.4
電子ズーム 最大4.4倍(光学3倍と併用して最大13.2倍)
感度設定 ISO 160/200/400相当(1メガモードNOMAL時 800/1600)
ファインダー 実像式光学ズームファインダー
液晶ディスプレイ 1.5型低温ポリシリコンTFTカラー液晶(11万画素)
記録メディア スマートメディア
電源 付属専用リチウムイオンバッテリ(NP-60)
サイズ 72(幅)×34(奥行き)×93(高さ)ミリ
重さ 約220グラム(本体のみ),約250グラム(電池,スマートメディア含む)
価格 8万9800円

 また,第3世代スーパーCCDハニカムを使ったデジタルカメラとして,L字型ボディに大口径レンズを搭載した「FinePix S602」,レンズ交換式一眼レフ「FinePix S2 Pro」も合わせて発表された。ただし,この2機種に関しては“開発発表”ということで,詳細な価格や正式発売日などのアナウンスは行われなかった。


L字型のボディに光学6倍ズームのFinePix S602

 FinePix S602は,L字型のボディに光学6倍ズームの大口径レンズ「スプレンディッシュ」を搭載。有効画素数は310万画素,ハニカム信号処理により603万画素(2832×2128ピクセル)高解像度撮影が行える。また,シャッターチャンスに強い高速フォーカシングを可能にした「ハイスピードツインAF」を搭載。記録メディアとしてスマートメディアのほかマイクロドライブを利用できるダブルスロットを採用した。

 そのほか,高速シャッターや暗所撮影に威力を発揮するISO800/1600の高感度撮影,VGAサイズで毎秒30フレームのフルフレーム動画撮影,毎秒5コマの6メガ高速連写,約0.6秒間隔で最大40コマまで連続撮影可能な「MEGA連写機能」を搭載。今年4月発売予定で,価格は未定となっている。

 価格に関しては同社関係者によると「位置付けとしてはFinePix 6900の後継機になるので,価格も同程度になるだろう」とのことだ。「開発中なのでハッキリしたことはできないが,実売10万円前後にはしたい」(同社関係者)。

 FinePix S602の主な仕様は以下の通り。

製品名 FinePix S602
撮像素子 有効310万画素1/1.7型スーパーCCDハニカム(原色フィルター採用)
記録画素数 2832×2128/2048×1536/1280×960/640×480ピクセル
記録方式 JPEG(DCF/DPOF対応)
レンズ 光学式6倍ズームレンズ(35mmカメラ換算で35〜210ミリ相当),F2.8〜11
電子ズーム 最大4.4倍(光学3倍と併用して最大13.2倍)
感度設定 ISO 160/200/400相当(1メガモードNOMAL時 800/1600)
ファインダー 0.44型カラー液晶ファインダ-
液晶ディスプレイ 1.8型低温ポリシリコンTFTカラー液晶(11万画素)
記録メディア スマートメディア,マイクロドライブ
電源 単3電池4本
サイズ 121(幅)×97(奥行き)×81.5(高さ)ミリ
重さ 約500グラム(本体のみ)
価格 未定

レンズ交換式一眼レフタイプの「FinePix S2 Pro」

 レンズ交換式一眼レフタイプの「FinePix S2 Pro」は,有効画素数が617万画素となる大型サイズの第3世代スーパーCCDハニカムを搭載。ハニカム信号処理システムによって記録画素数は1212万画素(4256×2848ピクセル)を実現した。「1000万画素以上の記録画素は,35ミリ一眼レフカメラタイプとしては世界初」(同社)。

 ニコンFマウントに対応し,AF-S/AF-VRレンズを含む全てのD/GタイプAFニッコールレンズが使用できる。記録方式は,JPEG,TIFFに加えて,CCDから出力されたアナログデータを12bitA/D変換後に生データのまま保存する「CCD RAW 12bit」記録モードを装備する。

 今年6月発売予定で,価格は未定となっているが「前モデル(S1 Pro)と同程度の価格になるだろう」(同社関係者)」とのことだ。

 FinePix S2 Proの主な仕様は以下の通り。

製品名 FinePix S2 Pro
撮像素子 有効617万画素 23×15.5ミリ スーパーCCDハニカム(原色フィルター採用)
記録画素数 4256×2848/3024×2016/2304×1536/1440×960ピクセル
記録方式 JPEG(DCF/DPOF対応),TIFF,CCD-RAW(12bit)
レンズマウント ニコンFマウント(AFカップリング,AF接点付き)
感度設定 ISO 100/160/200/400/800/1600相当
ファインダー アイレベル式
液晶ディスプレイ 1.8型低温ポリシリコンTFTカラー液晶(11万画素)
記録メディア スマートメディア,コンパクトフラッシュ,マイクロドライブ
電源 単3電池4本
サイズ 141.5(幅)×79.5(奥行き)×131(高さ)ミリ
重さ 約760グラム(本体のみ)
価格 未定

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[西坂真人, ITmedia]