News | 2002年4月18日 04:33 PM 更新 |
シンプルな操作性と家電との融合を目指した「Freestyle」,リモートでPCの機能を利用できる「Mira」,次世代Windows Mediaの「Corona」(コードネーム)など,単発的にコンシューマーユーザー向けのWindows拡張機能をアナウンスしているMicrosoftだが,同社は米国シアトルで開催中の「WinHEC 2002」で,次世代Windowsの「Longhorn」に向けたいくつかの計画を発表した。
WinHEC初日の基調講演で(4月17日の記事1参照),Microsoft上級副社長のJim Allchin氏はこう語った。「PCはまだまだ難しい。さまざまな操作はシンプルにならなきゃいけない。また,PCは熱くて,うるさくて,不快なデバイスでもある。起動も遅いし,何度も再起動をかけなきゃならない。エンドユーザーは本当に熱中できる製品を欲しているんだ」
MicrosoftのeHome計画は,そうした問題を解決するための要素として,将来的にLonghornへと集約されていく。
MicrosoftはFreestyleを基礎にして,「Media Center」となるPCの使いやすさや機能の向上を目指す。その一方で,ハードウェア開発者にも,もっと快適なPCを開発するよう促す。Allchin氏は,「PCエンスージアストは,より付加価値の高いPCを求めている。そして高い付加価値に対して,より多くのコストを支払ってくれるものだ」と,開発者たちに向けて話した。
そうしたハードウェアを登場させるための基盤として,MicrosoftはまずFreestyleで実現するユーザーインタフェースを,PCとは離れた場所から操作可能にするため,PhilipsからライセンスしたRC6プロトコル(4月17日の記事2参照)に基づく赤外線リモコンのリファレンスデザインを発表した。
プレイバック操作やユーザーインタフェースの操作部,AV機器の操作に携帯電話ライクなキーパッドを装備。赤外線プロトコルを標準化し,すべてのFreestyle対応デバイスと互換性のあるリモコンを作ることが可能。具体的なボタン配置や実装,デザインはハードウェアベンダーに任されるようだが,リモコンにはWindowsボタンが用意され,ワンボタンでFreestyleのメニューを呼び出すことができる。
また,Pocket PC上で動作するFreestyleのデモンストレーションも行われている。本来はWindows XP上のソフトウェアとして「PC上のエクスプローラとは異なる標準インタフェース」と位置付けられているFreestyleだが,Pocket PC上で動作するFreestyleを利用すると,ネットワークで接続されたPCの操作を,Freestyleのユーザーインタフェースで操作することができる。Pocket PCは無線LANで家庭内ネットワークに接続され,リッチなユーザーインタフェースを持つ一種のリモコンとして機能するわけだ。
なお,Pocket PC上で動作するFreestyleは,PC上で動くFreestyleのモジュールを移植したものではなく,.NETフレームワークに準拠し,Freestyleが動作するPCとのコミュニケーションで機能を実行している。
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