News 2002年6月3日 11:50 PM 更新

「SDR-4Xにも載ってます」――ソニーが「メモリースティックフォーラム」を開催

ソニーが、メモリースティック賛同企業向けカンファレンス「メモリースティックフォーラム」を開催。ハード/ソフトウェアメーカー、サービス/コンテンツプロバイダ、部品メーカーといったメモリースティックのライセンシー企業を集め、メモリースティックの市場動向や技術情報、今後のロードマップについて説明した

 ソニーは6月3日、メモリースティック賛同企業向けカンファレンス「メモリースティックフォーラム」を開催。ハード/ソフトウェアメーカー、サービス/コンテンツプロバイダ、部品メーカーといったメモリースティックのライセンシー企業を集め、メモリースティックの市場動向や技術情報、今後のロードマップについて説明した。また、メモリースティックの新規格「メモリースティックDuo」を今年7月から発売することも明らかにされた(詳細は別記事参照)。

 メモリースティックは、1998年秋に発売された同社の記録メディア。同社は本日、全世界の累計出荷枚数が今年3月で2000万枚を超えたことも明らかにした。メモリースティックは発売から2001年3月に累計出荷枚数1000万枚を達成しているが、約3年で達成したこの出荷数を今回わずか1年で達成したことになる。

 同社の安藤国威社長は、フォーラムの基調講演で「スターウォーズ エピソードIIの映画に使われているカメラにもメモリースティックが使われている。また、先日発表したロボット「SDR-4X」にも、メモリースティックのスロットが装備されている。このようにメモリースティックは、コンシューマ機器ばかりでなく、最新の機器にも搭載されている」と語り、あらゆるシーンでメモリースティックが使われていることをアピールした。


同社の2足歩行ロボット「SDR-4X」にもメモリースティックが使われている

 メモリースティックの賛同企業は、今年5月31日現在で246社。安藤氏は「約250社の中には、ハードメーカーばかりでなく、ソフトウェアメーカー、サービス/コンテンツプロバイダ、部品メーカーなど、さまざまな企業が集まっている。これらさまざまなレイヤーを持った企業同士が、お互いに新しい繋がりを作っているのがメモリースティック。ネットワーク時代には、1社で頑張ってても無理。ビジネスを大きくするためには賛同企業同士が一緒になってメモリースティックというプラットフォームを育てていくことが大事」と語り、ライセンシー企業に対して一層の協力を促した。


ライセンシー企業に対して一層の協力を促す安藤氏

 「現在ネットワーク機器の中心はPCだが、ブロードバンド時代の到来とともにコンシューマ機器へと軸が移っていく。その時、機器間をつなぐメディアがメモリースティックだ。ネットワークにつながる製品は全てメモリースティックに対応するといった基本方針のもと、ビジネスを育ていく」(安藤氏)。

 フォーラムでは、各賛同企業から、メモリースティックへの取り組みが語られた。

 メモリースティックは、ソニーが全社あげて普及をめざしているメディアだが、昨年発売したプレイステーション2にはメモリースティックスロットが搭載されなかった。「プレイステーション2になぜメモリースティックを使わないのか」という声が上がっているが、ソニーコンピュータエンタテイメントの岡本伸一常務からは、プレイステーション2とEMD(Electronic Music Distribution、音楽配信サービス)などを利用して、USB接続のメモリースティックアダプタを介して音楽がダウンロードできるようになることなどが紹介され、プレイステーション2とメモリースティックとの親和性が強調された。

 また、ソーテックの大邊創一社長からは、同社のメモリースティック戦略について語られた。同社は本日、同社製PCにメモリースティックスロットを標準搭載する方針を明らかにするとともに、メモリースティックスロット搭載第1弾製品を発表している


メモリースティックスロット搭載のソーテックPC

 「安藤社長から、ソーテックのPCにメモリースティックを搭載してくれないかという打診があった。安藤社長の、“PCを面白くしよう、PCの輪を広げていこう”という呼びかけは、ソーテックの“わくわくするPCづくり”に通じる。今後発売する全デスクトップ・ノートPCの新製品に、メモリースティックスロットを標準搭載していくほか、PDAやタブレットPCなどPC以外のメモリースティック対応製品も秋頃発売する予定。ソニーと共に新しい市場の創造に取り組んでいく」(大邊社長)。

ライトワンス型のメモリースティックは、開発表明のみ

 フォーラムでは、ライトワンス型(一度だけ書き込み可能)のメモリースティック「メモリースティック-R」(仮称)の開発表明も行われた。書き込みの回数を一度だけとするかわりに、従来のメモリースティックよりも価格を下げて、CD-Rのような使い方を提案していく。

 ただし、具体的な発売時期や価格、どのようなデバイスを使うかといった具体的な内容は明らかにされなかった。「仕様など詳細な内容の決定はこれから。今の時点でいえるのは、安価なメモリースティックとして、デジカメの“デジタルフィルム”的な使い方や、コンテンツのディストリビューションメディアとして展開していくということ。大容量タイプを投入していく方針で、かなり大きなコンテンツもいれることができるだろう」(同社)。

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[西坂真人, ITmedia]

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