News 2002年6月20日 11:22 PM 更新

プッシュ型コンテンツ配信のエキサイト 「成功する自信はある」

PointCastの再来――。エキサイトが開始したプッシュ型サービス「エキサイトデスクトップ」は、こんな風に言われることも。PointCastは期待されながらも“早すぎる死”を迎えたが、エキサイトではこの新サービスの成功に自信を見せている

 エキサイトが6月17日より開始した、スクリーンセーバー型のコンテンツ配信サービス「エキサイトデスクトップ」。ニュースや天気予報、ならびにエキサイトのさまざまなコンテンツがプッシュ配信されるこのサービスには、「PointCastの再来」との声もある。将来を期待されたPointCastは、残念ながら“早すぎる死”を迎えた。ブロードバンド時代が到来し、プッシュ型配信サービスは日の目を見ることができるのだろうか?

 エキサイトデスクトップを担当するエンタテインメント事業部の谷津秀岳氏はPointCastの熱烈なファンの1人だったという。「PointCastはすごく大好きでした。当時言われたほど、ネットワークに負荷がかかっていたとも思えないんですよね。あれほど画期的なサービスがなくなってすごく残念だった。PointCastこそが、私が思い描いた未来のコンピューティングでした」(同氏)。

 谷津氏は、「ネットワークのインフラという面でも、配信するコンテンツのバリエーションという面でも、プッシュ型サービスが成功する要因は整ってきた」と見ている。エキサイトデスクトップを利用するには、独自のプログラムをダウンロードしなければならないが、サービス開始から3日経たずに、ダウンロード件数が1万件を突破したという。「まずは、10万件のダウンロードを目標にしていたが、このペースなら1カ月で達成できるだろう」(谷津氏)。

最新の出会い情報をプッシュ!

 エキサイトデスクトップは、スーパーインデックスというベンチャー企業の「FrontCover」と呼ばれる技術をベースに開発されたもの。エキサイトデスクトップは現在、「バージョン1.0」が配布されている。「今後、随時バージョンアップを行う計画だ」(谷津氏)。

 現行バージョンでは、エキサイトのWebサイトで配信されいてるニュースや、天気予報、株価情報、ならびに出会い系サービス「エキサイトフレンズ」の新規登録者データなどがプッシュされている。今後は、インターネットラジオ機能を提供するほか、7月中に動画のストリーミング配信も導入する計画だという。

 「エキサイトデスクトップに、“常時接続時代の”というキャッチコピーが付いているのは、常時接続であれば64Kbps環境でも利用できるから。データをプッシュするタイミングはユーザーの設定によるが、1回に送るデータ量は数百Kバイト程度。普段、Webサーフィンするよりも全然軽い。これがネットワークの負荷になるというなら、もうWebサーフィンもできないはず』(谷津氏)。

 また、現行のエキサイトデスクトップでは、基本的にエキサイトのWebサイトと連動した形になっている。例えば、新着の出会い情報をクリックすると、エキサイトフレンズのページが立ち上がるといったふうだ。だが、谷津氏によれば、エキサイトデスクトップの狙いは「ブラウザの前であらゆうるサービスが完結すること」である。

 出会い系サービスの例で言えば、表示された相手にメールを送りたい場合、Webサイトには飛ばず、エキサイトデスクトップの中で入力できるようにしたいという。ただ、「技術的には可能だが、そういった機能を組み込むと非常に重たいアプリケーションになってしまう」(谷津氏)という問題も出てくる。


エキサイトデスクトップの画面。現状ではインタフェースのカスタマイズのみで、配信してほしい情報を選ぶといったようなことはできない。「(カスタマイズは)早い段階で取り組みたい機能の1つ」(谷津氏)


ニュース以外ではエンターテインメント関連の情報が多く、株価のように速報性を要する情報はそれほど多くない。そんな中、exite.co.jpの検索ウインドウに入力されたキーワードが流れてくる「サーチストリーム」(写真)は、プッシュ型サービスによくフィットしている。「実はエキサイトの隠れた人気サービスの1つなんですよ」(谷津氏)。エキサイトのWebサイトでも見ることができるが、わざわざこれを見ようという人は少ないはず(だから隠れた人気なのか……)


エンターテインメント系コンテンツの中でも、「エキサイトフレンズ」の新着情報配信は利用者にとってありがたい。「登録したばかりはメールはほとんど届かないが、ここで表示することで、多くの人の目に触れることになる」(谷津氏)。できれば、このウインドウだけ切り出して、常にデスクトップ上に表示できるようにしてもらいたい……

「PointCastの再来」でもかまわないが……

 谷津氏は、エキサイトデスクトップの好調なスタートを受けてか、「ビジネスとして成功させる自信はある」と強気だ。

 「まず、エキサイトデスクトップを普及させることが最大のミッションだが、ビジネスとしての展開も現実的に考えている」(谷津氏)。例えば、アイドルなどのファンクラブ向けにエキサイトデスクトップをカスタマイズして提供し、「そこだけでしか手に入らない情報やグッズなどを用意すれば利用者は増えるはず。企業の社内利用向けにカスタマイズしても面白いかもしれない。まだ正式に決まったわけではないが、こうした話が現実に進んでおり、手ごたえはつかんでいる」(同氏)。

 また広告媒体として使うことも想定している。「広告効果を考えると、それなりのユーザーベースが必要になるが、エキサイトデスクトップの背景画像を新商品の宣伝ようとして使ったり、スケジュール機能と新製品の発売を連動させたりして、ユーザーに訴求するというやり方もある。あらかじめ、ユーザープロフィールを取得しておけば、技術的には可能だ」(谷津氏)。


エキサイトデスクトップでPointCastの無念を晴らす? エンタテインメント事業部エンタテインメントグループシニアプロデューサーの谷津秀岳氏

 PointCastの可能性を信じた谷津氏が手がけるエキサイトデスクトップ。谷津氏自身、「PointCastみたいなサービスですね」と言われることに嫌な気はしないという。ただ、まったく気にならないかと聞かれたら……それは違うかもしれない。 s  「山村幸広(ゼネラルマネージャー)がトランス・コスモス出身なんですよ。山村自身がPointCastに関わったというわけではないようですが、その絡みで、エキサイトがプッシュ型サービスを始めたと言われるのではないかと心配していました。もっとも、山村もプッシュ型サービスは嫌いではないようですが(笑)」(谷津氏)。

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[中村琢磨, ITmedia]

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