News 2002年7月23日 09:37 PM 更新

日本科学未来館で火星に行く――「宇宙ロマン展」が開催

「2101年には火星旅行が現実のものになる」という想定のもと、日本科学未来館では「火星旅行」のシミュレーションが行われている。100年後の世界を、生きている間に体験してみてはいかがだろうか

 「2101年には火星旅行」――。東京・お台場にある「日本科学未来館」で7月24日から開催される「松本零士と毛利衛の宇宙ロマン展 火星への旅」は、今から100年後には一般の人々が火星旅行を体験できるようになると想定。地球出発から火星到着までの行程を、映像と展示物で紹介しようというイベントである。期間は9月23日まで。

 火星には、月の次に多くの探査機が送り込まれており、かつては水が存在したことなども確認されるなど、調査が実績をあげはじめている。とはいえ、旅行となればまだまだ空想の世界にすぎない。だが、「ただのファンタジーではない」(宇宙ロマン展実行委員の岩掘恭一氏)のが、この展示の最大の特徴だ。設定されたストーリーに沿って、内容を紹介しよう。


「火星への旅」の入り口に立つ日本科学未来館館長の毛利衛氏。「これまでに日本科学未来館を訪れた子どもたちに、『もっと宇宙のことが知りたい』とよく言われた。この展示を見た子どもたちが、将来、宇宙飛行士や宇宙開発に関わるようになってくれればうれしい」(同氏)


 火星へは、ロケットで行くわけではない。「軌道エレベーター」と呼ばれるリニアモーターカーで、まずは静止軌道ステーションに向かう。軌道エレベーターとは、静止軌道上の宇宙ステーションから地表に釣り下げられたチューブの中をリニアモーターカーで昇降しようというもの。

 静止軌道ステーション「ポート・アース1」は地表から3万5800キロメートル上空に位置している。途中、高度400キロあたりには途中駅の「地球展望台」があり、地球の様子を見ることができるという設定。展示会場では、実際に、ポート・アースからの景色や、地球展望台から見た地球のようすなどを体験できるようになっている。

 かなりの強度を持つ素材でなければ、軌道エレベーターの実現は不可能。このストーリーを考えた科学ライターの金子隆一氏によれば、「カーボンナノチューブの発見によって、軌道エレベーターが現実的になった」という。火星の旅では、軌道エレベーターのシャフト(チューブ部分)を、カーボンナノチューブを10万本以上より合わせた素材を使用することにしている。


 軌道エレベータの搭乗口はどこにあるのか? 答えはモルディブ諸島のガン島だ。火星への旅では、「ゲイトウェイ・アイランド」という名称で呼ばれ、シャフトを収容する高さ20キロの「アンカレイジ・タワー」が建設されることになっている


 ポート・アース1には、展望台駅から約1時間30分で到着。ここで、火星ライナー「ニクス・オリンピカ」に乗り換える。火星までの所要時間は1週間。ニクス・オリンピカの機内には、フィットネスクラブを完備。展示会場では、火星ライナーの客室を再現している


 火星までのルートはこうなっている。2101年12月3日午前9時に出発して、火星には「火星暦23年6月23日午後2時30分」に到着する


 火星に到着……する前に一息。宇宙ロマン展実行委員会の副会長を務める松本零士氏による「レイジ・ワールド〜火星の未来へようこそ〜」を楽しむ。同氏の原画展のほか、「波動砲」「ワープ」に関する技術解説資料などが並べられている


 もちろん、メーテルだって。

 なお、松本氏は「火星への旅」の展示会開催にあたり、「私の遺伝子はいつか必ず火星に行くだろう」と火星への憧れを語った。

 「本来なら、私は既に火星に住んでいる予定だった。技術がこれだけ進歩したのに、宇宙開発とタイムマシンだけは遅れている。たとえ私が火星に行けなくても、私の遺伝子を受け継いだ世代がいつか、火星へ飛び出してくれるはずだ」(松本氏)。

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▼ 「松本零士と毛利衛の宇宙ロマン展 火星への旅」公式サイト

[中村琢磨, ITmedia]

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