News 2002年7月24日 09:13 PM 更新

Amazon、アジア地域に大きな関心

「数年以内に日本は米国の次に大きな市場になる」と話すAmazon.com。今後、「中国や韓国にも進出する」としており、同社の関心はアジア地域に移ってきているようだ

 米Amazon.com上級副社長のDiego Piacentini氏は7月24日、都内ホテルで報道関係者とラウンドテーブルを行い、同社の事業戦略について説明。その中でPiacentini氏は、「日本市場は数年以内に、米国に次いで2番目に大きな市場になるだろう」との見通しを語った。

 Amazon.comは7月23日(米国現地時間)に第2四半期(4ー6月期)の決算報告を行っている(別記事参照)。Piacentini氏によれば、ドイツ、イギリス、フランス、ならびに日本といった米国以外のサイトの売上は2億1800万ドルに達し、前年同期比70%増の成長を記録した。売上の内訳は公表されていないが、「日本市場は急成長している」(同氏)という。


米Amazon.com上級副社長のDiego Piacentini氏

 「日本市場には大きな可能性がある。日本の場合、注文の40%が首都圏という状況にあるが、アマゾンは流通センターを千葉に構えており、午前10時に受けたオーダーなら、午後10時には配達することができる。これはユーザーにとっても、われわれにとっても、非常に効率のいいことだ」(Piacentini氏)。

 またPiacentini氏は、携帯電話向けのサービスにも期待を寄せる。「現状では、トラフィックはまだわずかだが、iモードやezwebといった携帯電話向けのサービスは、今後成長が見込める分野だ。日本市場には、Amazonが進出しているそれ以外の国にはない特徴がある」(同氏)。

 第2四半期の決算についてPiacentini氏は、「商品選択の幅を拡大したことが売上の増加に貢献した」と強調した。しかしながら、日本市場における既存商品以外の取り扱いについては慎重な姿勢を示す。「取扱い商品の拡充も検討していなかければならないとは思っているが、具体的にいつ、どのような形でラインアップを増やすのかはまだ分からない」(Piacentini氏)。

 Piacentini氏は、現在、Amazon.comでワールドワイドでのリテール/マーケティング事業全般を統括する立場にいるが、日本だけでなく、アジア地域に非常に大きな関心を抱いている。

 「Amazonはこれまで、むやみにサービス地域を拡大するのではなく、サービスを提供している場所で顧客満足度を高めることに注力してきた。今年は既にカナダ市場に参入しており、年内にほかの新規市場に進出する計画はないが、どこかのタイミングで、中国と韓国には進出することになるだろう。非常に興味深い市場だ」(同氏)。

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[中村琢磨, ITmedia]

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