News 2002年7月31日 09:33 PM 更新

携帯コンテンツが牽引――2001年のデジタルコンテンツ市場は1兆6828億円

デジタルコンテンツ市場を牽引したのは着メロや待ち受け画面。パッケージではDVDビデオが好調だった。音楽配信や動画のストリーミングサービスは、成長はしているものの、まだまだ小規模だ

 2001年のデジタルコンテンツ市場は1兆6828億円規模――。経済産業省と財団法人デジタルコンテンツ協会(DCAj)がまとめた「デジタルコンテンツ白書2002」によれば、2001年の同市場は前年比7.3%の伸びとなった。ゲーム系コンテンツ、音楽系コンテンツが前年を下回ったが、DVDビデオなどの映像系コンテンツが好調だったことに加え、携帯電話向けコンテンツが「驚異的な伸び」(DCAj)を示したことが寄与した。2002年は、前年比12.1%増の1兆8872億円になる見込みだ。

 デジタルコンテンツ市場は、パッケージコンテンツ(DVDビデオ、音楽CD、ゲーム機など)、ネットワークコンテンツ(音楽配信やオンラインゲームなど)、携帯電話コンテンツ、放送(BS/CSデジタル)という4つのジャンルから構成される。2001年に際立った成長を示したのが携帯電話コンテンツ。「着メロや待ち受け画面が牽引」(DCAj)し、前年比184%増の1154億円になった。ただDCAjでは、今後は、「サービスへの新規加入者が大幅に低下する影響で、成長ペースは大きくスローダウンする。着メロや待ち受け画面に続く、次のキラーコンテンツの開拓が不可避」とも指摘している。

 また、DVDビデオなどの映像系コンテンツは邦画のセル市場を中心に伸長し、前年比44.5%増。DCAjでは、2002年には(DVDの)さらなる低価格戦略やレンタル店の取り組みにより市場が活性化し、2001年比48.8%増と引き続き高成長を維持すると予測している。

 パッケージコンテンツに比べ、ネットワークコンテンツ市場はまだまだ小規模だ。音楽配信サービスは前年比2.5%増と成長を維持したものの金額ベースでは5億円にとどまっている。DCAjでは、「(音楽配信に)本格的に取り組んでいるレコード会社がごく少数で、購入したコンテンツの利用形態に柔軟性がないため、市場形成のためには課題が多い」と分析する。2002年も、前年比3.5%増の8億円と成長は緩やか。

 映像コンテンツのオンデマンド/ストリーミング配信は、前年比46%増と堅調(金額ベースでは10億円)。2002年には「大手事業者の参入やブロードバンドユーザーの増加により、飛躍的な成長が期待できる」(DCAj)と述べ、市場規模は前年比114.6%増の21億円と予測している。

 このほか、デジタルコンテンツ白書2002では、「デジタルコンテンツのビジネスモデル」という特集を組み、今後の成長が期待されるブロードバンド/モバイル市場におけるコンテンツビジネスの現状と問題点を分析している。「ビジネスモデルは本来シンプルであるほど有効で、難しいチャート図や横文字が羅列されているものは、ほとんど現実味がないものと考えるべきであろう」(DCAj)。

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[中村琢磨, ITmedia]

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