News 2002年10月16日 11:32 PM 更新

WPC EXPOに登場した7社のTablet PCをチェック!

一般ユーザーへのTablet PCお披露目となったWPC EXPO 2002。マイクロソフトブースに集結した7社のTablet PCは、それぞれ工夫を凝らした機構や機能を装備している。1社ずつチェックしてみよう

 今回のWPC EXPO 2002でもっとも注目されたのは、マイクロソフトが今もっとも力を入れている次世代デバイス「Tablet PC」だ。PCメーカー各社のTablet PCは、11月7日に行われる「Windows XP Tablet PC Edition日本語版」の正式発表以降、順次発売される予定だが、マイクロソフトブースでは各社のTablet PC実機を100台以上展示して、一般ユーザーにアピールした。


WPC EXPO 2002の注目は「Tablet PC」。マイクロソフトブースではTablet PC実機を100台以上展示

 TabletPCを日本国内で発売するメーカーは、現時点で国内・海外PCメーカー計8社がアナウンスされている。今回の実機展示では、日本ヒューレット・パッカードを除く7社(ソーテック、東芝、NEC、富士通、ペースブレードジャパン、ビューソニックジャパン、日本エイサー)が、最新技術を盛り込んだTablet PCを紹介した。

 Tablet PCは、ペンを使ってPCを操作したり、文字や絵を入力したりすることができるペンオペレーションが特徴。キーボードを装備したノートPCタイプの「コンバーチブル型」と、キーボードを搭載しない「ピュアタブレット型」の2種類が用意される。

 今回出展した7社のTablet PCを分類すると、コンバーチブル型を用意したのがソーテック、東芝、日本エイサーの3社、ピュアタブレット型を紹介したのがNEC、富士通、ペースブレードジャパン、ビューソニックジャパンの4社。各社それぞれ工夫を凝らした機構や機能を装備している。1社ずつチェックしてみよう。

コンバーチブル型は、ノートPCにもタブレットにも変身する“欲張りタイプ”

 ノートPCのスタイルに、電磁誘導式デジタイザを備えた液晶ディスプレイを搭載するコンバーチブル型。液晶ディスプレイ部が180度回転し、ディスプレイをキーボードの上に水平に折り重ねることで、キーボード入力を中心とした“クラムシェル”から、ペン入力用の“タブレット”に変身する。通常のノートPCとしても、ペン入力によるタブレット型PCとしても使用できる“欲張り仕様”が特徴だ。

 Tablet PCメーカーとして名を連ねながら、国内外の展示会などでTablet PC試作機を公開することはなかった東芝だが、今回のWPC EXPO 2002でコンバーチブル型を初披露した。

 別記事で紹介した通り、参考出展のため最終スペックは決まっていないが、Tablet PCとしては大画面の12.1型液晶を採用しているのが特徴。


初披露の東芝Tablet PCはコンバーチブル型

 また、すでに国内で発表されたソーテックのコンバーチブル型は、実は日本エイサーのOEM。そのため、両社のTablet PCは外観やスペックなど全く同じだ(スペックなど詳細は別記事を参照)。


ソーテック(左)のTablet PCは日本エイサー(右)のOEM

ピュアタブレット型はキーボード有りのデスクトップ併用タイプと、キーボード無しの軽量タイプ

 キーボードを装備しないというのがピュアタブレット型の特徴だが、富士通とペースブレードジャパンは赤外線方式のワイヤレスキーボードを標準で装備し、デスクトップPCのような使い方が可能だ。

 富士通のTablet PCは、CD-R/RW&DVD-ROMのコンボドライブを搭載したドッキングステーションとワイヤレスキーボード、マウスがセットになっている。ドッキングステーションのタブレット支持部は90度回転し、縦・横両方の画面で利用可能。「他社のTablet PCがノートPCの延長なのに対して、当社はデスクトップPC並みの使いやすさを備えた」(同社)。価格は30万円前後で、年内に発売する予定だ。


デスクトップ並みの使いやすさを備えた富士通Tablet PC

 ペースブレードジャパンは持ち運び可能な軽量のワイヤレスキーボードを装備し、タブレット/ノート/デスクトップと3つのスタイルで利用できるのが特徴。CPUはTransmetaのCrusoe TM5800(867MHz)を搭載し、東芝製と同様に大画面12.1型液晶ディスプレイを採用している。独自仕様の円形USBポートを本体上部に用意し、PCカメラを装備できるようになっている。


ペースブレードジャパンはタブレット/ノート/デスクトップと3つのスタイルで利用可能

 Tablet PCの特徴を生かして、ペンオペレーションに特化したキーボード無しタイプを紹介していたのがNECだ。モバイル性を重視した本体は重さが1キログラム弱で厚さ15ミリと、1.5-2キログラムはある他社製と比べて薄型・軽量ボディに仕上がっている。


NECのピュアタブレット型。1キログラム弱で厚さ15ミリと薄型・軽量

 だが、ペンよりもキーボードの方が入力しやすいケースも少なくない。そんなニーズに応えるため、“どこでもキーボード”として注目されているCanestaキーボードが別売りオプションで用意されている。Canestaキーボードは、キーボードレイアウトを机などに投影し、それを指でタイプすることで文字が入力できるというものだ。将来的には、Tablet PC本体へのCanestaキーボード内蔵も検討しているという。


机などに投影したキーボードレイアウトを指でタイプすることで文字が入力できるCanestaキーボード

 最後は、ディスプレイメーカーとして有名なビューソニックジャパンのTablet PC。こちらは、完全なピュアタブレット型で、NECのようなキーボードのギミックもない。ユーザーがキーボードを使いたい場合は、一般的なUSBキーボードを接続するカタチになる。同社のTablet PCは業務用途が中心となり、病院や学校関係からすでに引き合いが来ているという。「将来的には、高精細液晶パネルを搭載するといったディスプレイメーカーらしいコダワリを盛り込んでいきたい」(同社)。


ビューソニックジャパンのTablet PCは業務用途が中心

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[西坂真人, ITmedia]

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