News | 2002年11月28日 05:49 PM 更新 |
DVDフォーラムの次世代光ディスク規格「Advanced Optical Disc(AOD、仮称、以下すべて同じ)」は、再生専用ディスク(プリレコーディッドメディア)と書き換え型ディスク(リライタブル)の2つの規格を現在策定中。前者の再生専用ディスクは、片面単層15Gバイト、2層で30Gバイトというもの。後者の書き換え型ディスクは、片面単層20Gバイト、2層で40Gバイトである。
いずれも、テストディスクを使用したチェックが終了し、具体的な規格策定のフェーズへと進んでいる。順調に行けば、両者ともに2003年3月ごろ「Ver0.9」仕様が登場。夏頃には「Ver1.0」となる予定だ。
このAOD規格の現状と今後の方向性について、東芝 デジタルメディアネットワーク社の首席技監、山田尚志氏に話を聞いた(東芝はDVDフォーラムの議長会社)。
「RWとRAM、ROMとRを一緒にしたい」
「AODでは、RWとRAMを一緒にしたい。つまり、レコーダブルは1種類にしたいと考えています。また、(再生専用の)ROMとR(追記型)も“同じ”という方向にもって行きたい」。
山田氏は、AODの規格化の構想について、このように話す。
現行の波長650ナノメートルの赤色レーザーを使用したDVD規格では、DVD-RAMとDVD-RWという2種類の書き換え型ディスクの規格ができあがってしまい、当初DVDフォーラムが考えた構想(書き換え型は1種類)とは異なった方向に行ってしまった。
このため、現在の民生用DVDレコーダは、DVD-RAM/RレコーダとDVD-RW/Rレコーダの2種類が発売されている。言い換えれば、DVD+RWアライアンスが登場しなくても、結局2種類の民生用DVDレコーダが登場し、市場で覇を競いあっていたとも考えられるのである。
山田氏が書き換え型ディスクを1種類にしたいと言う背景にはこうした事情があり、AODでは、そうならないように規格化を進めようとしているわけだ。
では、書き換え型の“AOD-RAM”は、どうした規格になるのだろうか。
AOD-RAMでは、新方式のランドグルーブを採用
山田氏はこのAOD-RAM規格の特徴について、「なるべく簡単でそして作りやすいようにしよう、というのが今回の(規格の)趣旨です」と説明する。
そこで記録方式については、新方式のランドグルーブを採用したという。「AOD-RAMでは、ランドとグルーブは“蚊取り線香方式”で、パカッと分かれて2枚のディスクになるという感じにします。例えば、初めにグルーブを記録して一杯になったら、ポーンと飛んで、今度は(内周から)ランドを記録する。こうすると読み書きが大変楽になります」(山田氏)。
AOD-RAMで新方式のランドグルーブが採用されたのには、大きく分けて2つの理由がある。まず1つ目は、DVD-RAMのランドグルーブ方式は、設計が難しかったことだ。
「DVD-RAMで採用されているランドグルーブは、1トラックごとにランドとグルーブが切り替わってシングルトラックになっている。これだと、読むときにすごく大変なんです。もう1点。アドレスの信号が読みにくいという問題点がありました。AOD-RAMでは、この2つの部分については新しくしました」。
[北川達也, ITmedia]
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