News 2002年12月2日 10:39 PM 更新

News Weekly Access Top10(2002年11月24日−11月30日)
スクウェア・エニックス、合併会見の“裏話”

大きな衝撃を与えたスクウェアとエニックスの合併。会見ではインサイダー疑惑も飛び出したが、両社のほとんどの社員にとっては、やはり“寝耳に水”だったようだ

News Weekly Top10 11月24日〜11月30日
1位 “FF”と“ドラクエ”が手を組んだ理由
2位 CD-Rの「音」を考える:48倍速メディアの音は、なぜ悪いのか
3位 Sony Ericssonの携帯電話販売台数が「壊滅的下落」
4位 ハリウッドの“Appleびいき”に陰り――挽回なるか?
5位 CD-Rの「音」を考える:1枚8000円のCD-Rメディアは何が違う?
6位 “礼儀正しい害虫”がはやりそうだ
7位 エニックスとスクウェア、来年4月に合併
8位 「バッテリー攻撃」の防止策研究
9位 欲しいけど踏ん切りが付かない3GHz
10位 IE累積パッチをめぐる議論で思うこと
Weekly Top10 先週のTop10は、業界や一般ユーザーに大きな衝撃を与えたスクウェアとエニックスの合併ニュースが、2位以下を圧倒して堂々1位に踊り出た。合併速報も7位にランクインしたほか、先週末に行われた戦略説明会も、多くのアクセスを集めている。

 東証1部上場企業2社による大型合併だけに、11月26日の合併記者会見には、アナリストや一般紙、TVカメラなども含めて300人以上の報道陣が駆けつけた。


合併記者会見には、多くの報道陣が駆けつけた

 ゲーム/IT系の記者と、アナリスト、そして一般紙記者とでは、興味の対象が少しずつ違ってくる。とくに一般紙の記者にとっては、“FF”と“ドラクエ”がくっついて何ができるかということよりも、大型合併前にインサイダーなど不正がなかったかという点が興味の対象だったようだ。

 実際に、業績不振で低迷していたスクウェアの株価が、なぜか合併の約2週間前から上昇するという動きを見せていた。エニックスも合併数日前から同様に株価が上昇している。合併会見では、一般紙記者から「合併の情報が漏れていたのでは」との指摘があったが、この件についてスクウェアの和田洋一社長は「今回の合併は、ほぼ私だけで動いていたので、情報管理は徹底していた。最近の株価上昇は、これまで下がり過ぎていたことと、最近の業績好転を見てのことだと思う」と、インサイダー疑惑を強く否定した。

“寝耳に水”の合併報道に、両社社員の反応は……

 情報漏えい、もしくは意図的なインサイダー取引があったかどうかは定かではないが、少なくとも第一線の現場社員にとっては合併報道は“寝耳に水”だったようだ。合併会見から3日後の戦略説明会で、合併を知った社員の反応について両社の社長が語った。

 「とにかくビックリしているというのが、正直な現在の状況。かなりインパクトある出来事なので、この事実を自分の中で受け止めて消化していくまでに数日はかかるのだろう。ただし少なくとも、士気が落ちるということはない。幸か不幸か、リリース時期を間近に控えたタイトルが多く、それ(合併)どころではないというのが正直なところなのでは」(スクウェア和田社長)。

 「皆、“知らなかった、とんでもなく驚いた”というのが率直な意見。それでも、世界で最高品質のデジタルコンテンツメーカーになるんだという積極的な考え方を持つ社員がほとんど。大きな目標へ向け、夢を抱けるのが今回の合併。みんなそれに向け、実現するぞという気運で、元気になっている」(エニックス本多圭司社長)。

[西坂真人, ITmedia]

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