News:ニュース速報 2002年12月19日 08:43 PM 更新

人間型ロボットがショベルを代行運転 産総研などが成功

川崎重工業と東急建設、産業技術総合研究所は、ヒューマノイドロボットを遠隔操作し、ショベルカー(バックホウ)を屋外で代行運転させることに成功したと発表した

 川崎重工業と東急建設、産業技術総合研究所(産総研)は12月19日、ヒューマノイドロボットを遠隔操作し、ショベルカー(バックホウ)を屋外で代行運転させることに成功したと発表した。「ロボットが人間と同様に働ける可能性を示せた。働く人間型ロボットの実現をさらに加速したい」としている。


土砂掘削を行うロボット

 本田技研と産総研が開発したヒューマノイドロボット「HRP-1S」と、川崎重工が開発した遠隔操作システム(3月20日の記事参照)を組み合わせた。また東急建設は雨にも耐えられるロボット専用の作業服と、産業車両からの脱落を防止する機構を備えた着座シートを開発。遠隔操作システムと有線で接続したロボットを操作し、屋外で市販のショベルカーを運転させて土砂掘削作業を行わせることに成功した。


 川崎重工の遠隔操作システムは、ロボットのアームと脚部を制御するコントローラなどで構成。さらにショベルカーでの着座動作、各種レバー動作を指示できる操作手法も新開発した。操作者はロボットのステレオカメラからの映像を見ながらマニュアルで操作したり、あらかじめ設定しておいた動作パターンの実行を指示することでロボットをコントロールできる。自律的に安定性を確保できる技術も導入した。


遠隔操作システム

 既に立ち姿勢でのフォークリフトの代行運転には成功しており、「ROBODEX2002」でデモを披露した。今回の実験は、従来とは異なる着座姿勢での代行運転に挑戦することで、ヒューマノイドロボットによる代行運転の汎用性を示すのがねらいだとしている。今後は遠隔操作の無線化や乗り込み動作の実現を図り、実際の工事に準じた試験を実施して作業性や生産性の評価を行う予定。

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