News | 2003年1月14日 06:08 PM 更新 |
子どもは可愛いけれど、同じ絵本を何度も何度もせがまれるのは、ちょっと疲れる。そんな世のお父さんたちに朗報だ。米Evolution Roboticsの開発したロボット「ER2」が、あなたの代わりに繰り返し、それこそ子どもが寝付くまで絵本を読んでくれるだろう。
Evolution Roboticsといえば、昨年の「Electronics Entertainment Expo」(E3)で登場したキットロボット「ER1」で一躍注目を集めたロボットベンチャー。ノートPCを頭脳とすることで低コスト化を実現したER1は、日本でも10万円前後で入手できる。
そのEvolution Roboticsが開発したロボット第2弾が「ER2」だ。今回は、Webカメラやスピーカーを備えた頭部と、大画面液晶や操作ボタンのあるボディの2ピース構成で、RE1に比べるとロボットらしい形になった。ER1と同様、脚部(?)の車輪で前後左右に動くことができ、内蔵電池が残り少なくなると自分で充電しにいく頭のいい奴だ。
同社によると、ER2には当初から20余りのアプリケーションが用意されているという。
たとえば、セキュリティ機能。ER2が家の中を自在に動き回り、Webカメラで子どもたちやペットを監視する。親は、外出先からインターネット経由で宅内の映像をみることができる。また、予め設定したトリガーによってユーザーに緊急通報する機能もある。
留守中に子どもが泣き出したら? そんなときは、胸の液晶ディスプレイを使ったビデオカンファレンス機能が役に立つ。オフィスにもER2があれば、ロック機能により、忙しく立ち回る親の後をER2が常にフォロー。自宅のER2には、いつでも親の顔が写しだされている。
子どもの教育もER2にお任せだ。文字認識と音声読み上げ機能により、疲れ知らずのER2が何度でも絵本を読んでくれるだろう。子どもが指さした部分をピンポイントで読み返す機能もあるほか、読んだ本などの情報をフィードバックすることで、徐々に内容をレベルアップすることもできるという。
子どもが寝静まったあとは、ER2をミュージックボックスにしてプライベートタイム。耳のように見えるスピーカーはJBL製だから、その辺のPCよりも音はいいはずだ。退屈したら、ER2が運んできたビールを飲みながら、チェスに興じるのもいい。
Evolution Roboticsによると、ER2は「テクノロジプラットフォームとパーソナルロボットアプリケーションスイートの新しいショウケース」(同社)として開発したという。ER2そのものを販売して利益を上げるよりも、プラットフォームを他社にライセンスもしくはOEM供給する方に重点を置いている。
事実、同社は既にバンダイとソフトウェアプラットフォーム「Evolution Robotics Software Platform」(ERSP)供給に関する提携を交わしており、2005年までにバンダイが発売する計画のパーソナルロボット「リアル ドリーム ドラえもん」などに採用される予定だという(記事参照)。
そう。ER1とER2は将来、“ドラえもんの祖先”として語られることになる(かもしれない)貴重なロボットなのだ。
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