News | 2003年2月3日 10:00 PM 更新 |
2足歩行ロボットの技術を競う大会「ROBO-ONE」が、2月1日と2日の両日に日本科学未来館で行われた。
第3回を迎える今回のROBO-ONEには、書類審査に残った93台のロボットがエントリーされ、1日の予選にはその中から56台が出場。人間と同じように2足で歩くロボットに夢を抱く熱きホビイストたちが、自慢の愛機を手に全国から集まった。
前回の第2回大会では、第1回に比べて参加ロボットのレベル向上が目立った。今回もハイレベルなロボットが集まったが、その一方で近年のロボット人気から初出場選手も増えたせいか、歩くどころか2本足で立つことすらままならないロボットも続出。ロボットの完成度の高いROBO-ONE常連参加者とで、レベルの二極化が感じられた。だが、これもアマチュアによるロボット競技大会ならでは、といえるだろう。
ROBO-ONEの予選は、2分の持ち時間の中でロボットの特徴や技術を審査員にアピールして争う。審査得点の上位16台が、翌日の決勝トーナメントにコマを進めることができるのだ。基本的にはどんなパフォーマンスもOKで演技の構成も自由。今回の予選では、「マジンガーZ」を模したロボットに合わせて参加者が“兜甲児”に扮して操縦し、敵役も登場しての寸劇を披露するというパフォーマンスも登場した。
デモンストレーションのポイントは、大会で定められた規定演技を盛り込まなくてはならない点。この規定演技に対する得点のウエイトは50%と高く、勝敗を大きく左右することになる。
今回の規定演技は「ボックスダンス」。文字通り“四角形”を描くように前後左右に移動するダンスだ。これまでのROBO-ONEでは前後に歩ければ何とかなったが、今回は横への動き(サイドステップ)が必要となる。脚部の自由度が少ないロボットなどでは、設計変更も必要となる難度の高い演技だ。
この難題をいとも簡単にやってみせたのが、毎回優勝候補として注目されている吉村浩一氏の「R-Blue4.1」。前回は紫色の精悍なボディカラーだったが、今回はホワイトボディで心機一転、念願の優勝を目指す。
注目のボックスダンスでは、単に前後左右に移動するだけでなく、手や首の動きも織り交ぜて本当に踊っているようにスムーズで軽やかな動きを見せ、2足歩行ロボットとしての完成度の高さをアピールした。
さらにR-Blue 4.1は、ボックスダンスばかりでなく“新技”の3点倒立も披露。これには会場も大いに沸いた。毎回、予選では最高得点を挙げている吉村氏だが、今回もその実力どおり予選ナンバーワンの得点で決勝トーナメントに進んだ。
このR-Blue 4.1のように完成度の高い2足歩行ロボットは、やはりそれなりのお金がかかっている。参加者の中には、ロボット製作に数十万円から100万円以上の費用をかけて大会に臨むケースも少なくない。市販品の2足歩行ロボットキットなども売られているが、30万円前後とやはり高価だ。
そんな中、製作費わずか2万2000円という超低コストながら、見事なデモンストレーションを行うロボットが登場した。
[西坂真人, ITmedia]
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