News 2003年2月5日 09:24 PM 更新

松下、DVDビデオレコーダで“Project-M”始動

松下電器産業がDVDビデオレコーダ新製品「DIGA」シリーズを発表した。同社はこれに合わせ“Project-M”をスタート、市場の育成とグローバルナンバーワンを目指す

 松下がDVDビデオレコーダにいよいよ本腰を入れてきた。

 松下電器産業は2月5日、DVDビデオレコーダ新製品「DIGA」シリーズ5機種を発表。同日都内で行われた発表会では、新製品の詳細や同社のDVDビデオレコーダ戦略について語った(発表会にはボブ・サップも登場。“野獣”の詳細は別記事を参照)。


DVDビデオレコーダ新製品「DIGA」シリーズ

 今回発表された新製品「DIGA」シリーズは、HDDレコーダやVHSビデオとのハイブリッド機を含めて一挙に5機種をラインアップ。最も安いモデルとなるDMR-E50は実売6万円前後、そのほかの機種も、最上位モデルのDMR-E90(実売15万円前後)以外はすべて実売で10万円を切る“戦略価格”で勝負に出ている。普及価格帯の投入とラインアップの充実を図ることで、DVDビデオレコーダ市場で一気に他社へのアドバンテージを拡大する構えだ。

 同社常務兼パナソニックAVCネットワークス社社長の大坪文雄氏は「VHSは1980−1990年代に大きく伸びたが、2001年以降はDVDプレーヤーの波に押されている。そしてわれわれはVHSの置き換えとしてDVDビデオレコーダを大きな柱とし、第3の大きな波をつかまえていきたい」と語る。


同社常務兼パナソニックAVCネットワークス社社長の大坪文雄氏


高画質と大容量録画の融合を意味する新ブランド名「DIGA」

 新製品5機種の内訳は、HDD非内蔵タイプ2機種とVHSビデオデッキとのハイブリッドタイプ1機種、HDD搭載タイプ2機種。このうちHDD非内蔵のエントリーモデル「DMR-E50」は、実売6万円前後という普及価格ながら、録画中の番組を再生できる「追っかけ再生」や音声付きで1.3倍速再生が行える「早見再生」、録画開始時の頭出しや再生時の巻き戻しがいらない「一発録画再生」といった機能を搭載している。同社ではこの製品を“戦略商品”として位置付けており、3月1日に日米欧で同時発売する。


6万円前後の普及価格「DMR-E50」

 同じくHDD非内蔵モデルの「DMR-E60」は、デジカメの画像を再生したりDVDに保存できる「SD/PCカードWスロット」や、DVカメラの映像をDVD-RAMで簡単に編集できる「DV入力自動録画」機能を搭載。また、原音に忠実な高音質が楽しめる「DVDオーディオ再生」に対応した。実売予想価格は7万5千円前後で、4月21日から発売する。


「SD/PCカードWスロット」や「DV入力自動録画」機能を搭載した「DMR-E60」

 業界初となるVHSビデオ一体型の「DMR-E70V」は、VHSテープとDVDとの双方向ダビングが簡単にできる「ワンタッチ2WAYダビング」機能や、ツインチューナー搭載によってVHSテープとDVDへの2チャンネル同時録画が可能な「ツインチューナー2ch同時録画」などの機能を備えた。実売予想価格は8万5千円前後で、3月25日から発売する。


業界初のVHSビデオ一体型「DMR-E70V」

 HDD内蔵型のエントリーモデルとなる「DMR-E80H」は、80Gバイトの内蔵HDDに最長約106時間の長時間録画が可能。HDDからDVD-RAMへの録画では、最大12倍速の高速転送が行える。実売予想価格は9万5千円前後で、4月1日から発売する。


HDD内蔵型のエントリーモデル「DMR-E80H」

 ハイエンドモデル「DMR-E90H」は、デジカメ画像をDVDに保存・再生できる「PCカードスロット」やDVカメラの映像をDVD-RAMで簡単に編集できる「DV入力自動録画」機能など、現行の人気モデル「DMR-HS2」の機能を継承。120Gバイトの大容量HDDを搭載し、最長で約160時間の長時間録画が行える。実売予想価格は15万円前後で、3月1日から発売する。


ハイエンドモデル「DMR-E90H」

「Project-M」でグローバルナンバーワンを目指す

 これまで映像録画機器の主役はVHSだった。そして同社は、さまざまなVHSビデオ製品を市場に投入することで、このVHS市場を創造してきた。「われわれは1977年のVHS第1号機から、さまざまな用途提案とラインアップの拡大、性能アップ、コストダウンを行って市場を創造してきた。だが今後は、松下が育ててきたVHSの市場をあえて破壊して、DVDビデオレコーダという新市場を一気に創造していく」(大坪氏)。

 同社ではDVDビデオレコーダを事業の大きな柱とするために、今回の新製品発表を機に社内プロジェクト「Project-M」を発足している。

 「“M”の意味は2つある。1つは松下グループ全社をあげて事業の柱として取り組むということを表した“Matsushita”のMであり、もう1つはDVDビデオレコーダを月産100万台レベルで語れる商品に育てていこうという“Million(100万)”のM。当社の予測ではDVDビデオレコーダの世界需要は2004年度には1400万台に達する。つまり月産100万台に到達するわけだ。われわれは、その市場で“グローバルナンバーワン”を目指す」(大坪氏)。

 DIGAシリーズ投入にあたって同社が掲げたキャッチコピーが「世界は□から〇へ」。つまり、一気に普及価格に達して普及価格のラインアップも充実した新製品群によって、映像録画機器のデファクトスタンダードが「□(四角い)VHSビデオテープから〇(丸い)DVD-RAMディスクへ変わる」ことを表しているのだ。


DIGAシリーズのキャッチコピーは「世界は□から〇へ」

 放送の世界では、2000年にスタートしたBSデジタル放送が徐々に立ち上がり、さらに今年末には地上波デジタル放送もスタートする。これらが提供するデジタルハイビジョン放送は、今のところDVDビデオレコーダではデジタル録画することができない。今後増えてくると思われるデジタルハイビジョン放送に対して、同社ではDVDビデオレコーダをどのように展開させていくのだろうか。

 「DVDビデオレコーダが普及していくここ数年では、ハイビジョン放送はそれほど増えず、しばらくはハイビジョン対応のビデオレコーダを出す状況にはならないとみている。なお、ハイビジョンような大容量コンテンツが普及してきた時に、DVDビデオレコーダのメカニックな技術で対応させるか、それともBlu-Ray Discでいくかは、もう少し時間を見て判断していきたい」(同社)。

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[西坂真人, ITmedia]

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