News:ニュース速報 | 2003年2月13日 05:57 PM 更新 |
プロジーグループが発売したソフト「DVDコンバータ with DivX PRO」が、「GPL(GNU General Public License)準拠のフリーソフトを使用していながらこれを明記せず、ソースコードも開示していない」と指摘されていた件で、同社は2月12日付けで「認識不足から混乱を招いた」としてWeb上で謝罪、ソースコードの開示を始めた。
同社がWeb上に掲載したのは、榎本大輔社長名の「『DVDコンバータ with DivX PRO』ソースコード公開のお知らせ」。
この中で、同社は「早急に弊社としての態度・対応を表明しなかったこと、及びGPLに対する弊社の認識不足から、お客様をはじめ関係各位の混乱を招き、ご迷惑をおかけ致しましたことを深くお詫びさせて頂きます」と謝罪。その上で「DVDConverter.exe」をGPL準拠とし、ソースコードを公開。合わせて使用許諾書をGPLに準拠して一部変更したアップデータも公開した。
GPL違反の指摘が相次ぐ
同ソフトは「DVDの映像を、最新の高品質圧縮フォーマット『DivX PRO』やMPEG1/2にエンコード」できるソフト(同社Webサイトの製品概要ページより)。
同ソフトのダウンロード版は1月31日に発売された。ところがユーザーから「GPL準拠のフリーソフトを搭載している可能性がある」との指摘が相次いだ。これらの指摘によると、同ソフトには「DVD2avi」(GPL)、「DeCSS」(GPL)、「Lame」(LGPL)などと同名のファイル名が確認できたという。
GPLでは、GPL準拠のソフトの全部あるいは一部を使用して開発されたソフトもまた、GPLソフトとしてソースコードを開示、再配布を行わなければならないとしている。このため同社に対し事実関係の説明を求める声が上がっていた。これに対し同社は、同ソフトが「winLame」(GPL)を含んでいることを認めた上で、同ソフトのソースコードの公開を予告していた。
「CSS解除機能は搭載していない」
さらに同ソフトには、市販DVDソフトのプロテクト「CSS」を解除するコード「DeCSS」が含まれているとの指摘もある。ネット上に寄せられた報告によると、同ソフト内に「DeCSS」と記されたフォルダの存在が確認できたという。DeCSSによりCSSを解除できるソフトを販売した場合、国内では不正競争防止法に違反する恐れがある。
この点について同社は「CSSが施されているDVDであるか否かを判別して、その旨を警告する機能はついているが、指摘のような解除機能は搭載していない」とした。その上で「ソースコード内の『DeCSS』というフォルダ内に、その判別機能が搭載されている」という。DeCSSコード自体が同ソフトに含まれているかどうかは明記していない。
同社WebサイトのFAQによると、同ソフトは「主に自作のDVDやCSSの施されていないDVDを扱うことができます」としている。また「あらかじめハードディスクに保存されている『*.IFO』からなるDVD構造のファイル」も扱えると説明している。
これに対しネット上では、同ソフトを使って特殊な操作を行った結果、市販DVDから動画データをリッピング/エンコードできたとする報告も寄せられている。
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