News 2003年2月24日 09:38 AM 更新

2004年、モバイルPCはこうなる(1/2)

IDFでIntelは2004年のモバイルPCのコンセプトを示した。新しい3つの利用形態を想定、その実現のためのさまざまな技術や機能を提供するというもので、例えば、ノートPCにも背面液晶をつけるといった提案が行われている

 Intelは毎年2月と9月に開催するIntel Developer Forumで、デスクトップPCとノートPC、それぞれについてコンセプトプラットフォームとリファレンスプラットフォームのデザインガイドをPCベンダーに提供している。2月のIDF Springはコンセプトを提示し、9月のIDF Fallで翌年向け製品のリファレンスとなる技術を提供するというサイクルだ。

 ここではCentrinoのリリースで注目されるモバイルPCの2004年について、Intelのビジョンをお伝えしたい。“ノートPCを携帯すること”の価値がいかに高く、使い易いものか。あらゆるユーザーに、そのメリットを訴えることが大きなテーマになっている。


Intelのコンセプトプラットフォーム、リファレンスプラットフォームの開発サイクル。☆印の付いたSonomaは、2005年向けのリファレンスプラットフォームを示すコードネーム

2004年モバイルPC、3つのコンセプト

 Intelのモバイルプラットフォームグループは2004年のモバイルPCで、Centrinoの提供するワイヤレスモバイルコンピューティング環境がもたらす、3つの新しい利用形態(ユーゼージモデル)を念頭にコンセプトを煮詰めている。


2004年のモバイルPCで重視した3つのユーゼージモデル

  • Always Best Connected

     PCを携帯するようになると、当然ながらさまざまな場所に移動しながらPCが使われるようになる。しかしコンピューティングと通信を両立させるためには、移動するごとに変化するネットワーク環境の中でも、常に最適なネットワークに接続できなければならない。

     これまではユーザー自身が、その場で最適なネットワークへの接続手法を考え、運用してきた。だが誰もがそうした“接続手段の最適化”スキルを持っているわけではない。誰もが簡単に、状況に合わせてベストの接続手段でネットワークに接続できる手法、環境を整えることが重要になる。

  • Location Aware Computing

     PCを使っている場所によって、求める情報が異なる場合というのは往々にしてあるものだ。空港のゲートでPCを開けば発着予定やラウンジの場所などの情報に簡単にアクセスしたいと考えるだろうし、街中では最も近いホットスポットを探したいと考えることも多いはずだ。天気予報を見る時は、自分がいる場所の予報に簡単にアクセスできれば便利。もちろん、地図サービスとの連動も有益に違いない。初めての街で、その街のインフォメーションを得たいと思う場合もあるだろう。

  • Always-on, Secondary Display

     PCを常に携帯するようになると、そのPCに自分が普段利用しているさまざまな情報サービスやコミュニケーションの手段が集中するようになる。しかし、電源をいちいち入れなければならないなら、その利便性も限られてしまう。手軽に情報を取り出したいために、PDAに情報を同期させ、別途携帯しなければならないのが現状だ。

     常に電源オンのまま使えるハードウェアや使い方を実現することは、より多くのユーザーにPCを携帯してもらう上で重要なことと言える。また、常に電源オンで利用する場合の使い勝手を考慮し、メインの液晶パネルとは別に情報表示用ディスプレイを装備する。

    コンセプトモデル“New Port”

     Intelはこうしたコンセプトを具現化するモデルとして、“New Port”というノートPCを試作、IDF Spring 2003初日にCraig Barrett氏が公開した。このNew Portにはきょう体を閉じた時に利用できる、PDAライクなモノクロのセカンダリディスプレイが取り付けられている。

    [本田雅一, ITmedia]

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