News | 2003年2月28日 09:49 PM 更新 |
クロックを上げるとバッテリーを消費する。クロックを下げればバッテリーは持つ。従来のモバイル向けCPUは常にこの問題のトレードオフを探って開発されてきた。
これまでは「忙しいときはパフォーマンス優先、暇なときはバッテリー優先」とCPUのモードを切り替える「SpeedStepテクノロジー」の実装が主流で、ハードウェアアーキテクチャはデスクトップ用CPUのそれとほとんど同じである。
Centrinoで使われるPentium-Mは、ハードウェア構成から見直して新しく設計された新アーキテクチャCPU。その特徴は「効率の高いアーキテクチャによって、低いクロックでも高いパフォーマンスを発揮する」ことにある。
この効率の高いアーキテクチャを可能にしているのが「アドバンスト分岐予測」「専用スタックマネージャ」「1MB省電力L2キャッシュ」「400MHz省電力システムバス」である(9月11日記事参照)。
また、今回実装される「拡張版Intel SpeedStepテクノロジ」は、従来2ステップしか用意されていなかったクロック/駆動電圧モードに対して、より多くのモードを用意することで、負荷に合わせたきめ細かい電力消費管理を行うものだ。今回の説明で明らかになった各モードのステップ間隔は200MHz刻み。一番下のクロック(600MHz)から200MHzずつ増えていくという。なお、最高クロック900MHz、1.30GHz、1.50GHzのPentum-Mでは最後のステップが100MHzとなる。
日本でも進む「Centrino」インフラの構築
パフォーマンスに目が向きがちなCentrinoブランドプロジェクトだが、モバイルコンピューティングを便利にするための「インフラ整備」も、その目標とされている。このため、インテルは膨大なコストとリソースを費やして、動作検証作業や無線LANアクセス環境の整備を行っている。検証作業については、無線LANを抱合するためにセキュリティ検証やサードパーティ製品検証もインテルが行うなど、その作業量は従来のモバイル向けソリューション開発と比べ非常に増加している。
[長浜和也, ITmedia]
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