News:アンカーデスク | 2003年3月7日 06:14 PM 更新 |
前回に引き続いて「インタラクション2003」のレポートだ。今日は2日目(2月28日)に発表されたものから。
背面入力インタフェース「Behind Touch」
平岡茂夫氏(福岡工大短大)、宮本一伸氏(アイム)、富松潔氏(九州芸術工科大)による。
携帯電話のボタンを背面に持っていってもいいじゃないかという研究(モバイルの記事参照)。そうすることで、前面は全部、表示部にすることができる。操作は親指じゃなくて人差し指になるわけ。わたしは、ゲームパッドの時代から、なんで裏側にボタンがないんだって思っていた人なので、この発表はかなり楽しみにしていたのだ。
まだ、プロトタイプであり、製品の形になっているわけではない。
携帯電話のボタンを背面(裏側)に持っていこうという研究(*1)。まだプロトタイプ。ボタンが背面に行けば、こちら側はそのすべての面積を表示部として使える。でも、操作は親指ではなく、人差し指になる。なによりボタンそのものを目で見ることはできないのだ。それで、本当に操作できるものになるのか調べたというわけだ。
まず、親指より人差し指のほうが器用なのだけど、動かすことができる範囲は狭い。調査の結果、楽に押せる範囲は直径16‐20ミリの円の範囲であることがわかった。そこで、その範囲に12個( [1] − [9] 、[*] 、[0] 、[#] )のボタンが配置される。
ボタンといっても、いまの携帯のボタンとは全く違い、小さなポッチが12個並んでいる感じである。触ってみると、ポッチははっきりわかる(*2)。ポッチの間隔は縦5ミリ、横5.5ミリ。
ボタン操作をするときには、画面にも疑似的なボタンの画像が表示される。人差し指がボタンに触れると、対応する位置のボタンの画像が少しだけこっちにでっばったような表示になり、ボタンを押すと画像は思い切りでっぱったものになる。視覚とのインタフェースはこのように行っているわけ。
ただし、ボタンに書かれている文字は、操作の局面によって変わるし、擬似ボタンの位置や大きさも変わる場合がある。だから、裏から人差し指が押しているちょうどその場所に、ボタンの画像があるわけではない。
プロトタイプではもっと離れていて、手に持っているのは携帯サイズの箱に仕込まれたボタンだけ。これがケーブルでパソコンでつながっていて、その画面に擬似ボタン画面がうつっているのだ。指と視線の方向はかなりずれている(*3)。
さて、とにかくっていうんで、わたしがいじってみたときの画面の様子がこれ。まったく練習なし。だいぶまごまごしている。なお、わたしは携帯メールを打つのはあまり上手くない。
ムービーはこちら(MOV形式、1.12Mバイト)
発表によれば、これを使って「きんきゅうのしょうひんかいはつかいぎをおこないます。」という文字(かな漢字変換はナシ)を入力するのにかかる時間を測定したのだそうだ。被験者は5名。普段使っている携帯電話での入力(予測変換などの技はつかわない)と、このBehind Touchでの入力の時間を測定。
結果、従来と同様か、人によっては速くなっているということが分かったそうだ。
また、これはBehind Touchそのものからは離れるのだけど、文字入力の方式についても検討されている。いま普通に使われている携帯の文字入力は、5タッチ方式と呼ばれるもので、「こ」をだすには「か」を5回押すというスタイルを取る。
慣れている人はいいけど、そうじゃない人には、これはあんまり楽な方法じゃない。そこで、子音母音方式(「か」を押すとボタン表示が「か」「き」「く」「け」「こ」になるので、次に「こ」を押すという方式)においても、同様の実験が行われた。その結果、入力速度そのものは遅くなっているが、入力時のストレスは低下しているということが分かったそうである。
ムービーはこちら(MOV形式、985Kバイト)
Enlight Pen――自律学習継続支援システムの提案
慶應義塾大学の吉原さくら、塚田浩二、安村通晃の各氏による。
「自律学習継続支援システムの提案」ってサブタイトルがついているのだけど、つまり飽きっぽい人が「習い事」をするときに、途中で投げ出さないようにするために支援する道具というわけ。
[こばやしゆたか, ITmedia]
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